診療だより
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皮膚腫瘍
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脂肪腫、石灰化上皮腫の手術
2008-12-22 UP! カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより
私はメスを握る皮膚科医です。
皮ふ科SSクリニックには手術を目的として数多くの患者さまが紹介されてきます。
その中でも粉瘤(ふんりゅう)は横綱です。
粉瘤と間違いやすい皮膚腫瘍として脂肪腫、石灰化上皮腫があります。
今回はこの2つの疾患について述べてみたいと思います。脂肪腫は粉瘤よりやわらかく、石灰化上皮腫は碁石様に硬く触れることより鑑別できます。
触診が診断の基本です。皮膚外科医の指はまさにセンサーの役割をします。なぜ鑑別診断が必要なのか?それは手術法が異なるからです。
粉瘤はくりぬき法もしくは皮膚を含めて切除します。脂肪腫、石灰化上皮腫は皮膚切開のみで腫瘍を摘出します。実際の症例を供覧いたします。
右腰部の脂肪腫です。通常は腫瘍全体の大きさの半分以下の切開のみで摘出が可能です。皮膚を切開した後に揉みだして脂肪腫を取り出します。
2cm以下の傷です。真皮縫合もきっちりとされているので傷跡が目立ちません。
これなら患者さまも大満足ですね。
右眉毛内側の皮膚腫瘍です。粉瘤の疑いで紹介されましたが触診から石灰化上皮腫を疑いました。結婚前の若い女性です。傷を残すわけにはいきません。
眉毛の辺縁のラインを利用して皮膚切開します。白い腫瘍を丁寧に取り出しました。
術後1週間。抜糸直後の写真です。すこし発赤がありますが傷は目立ちません。
院長相変わらずいい手術してますね(笑)。
手術の傷跡を目立たなくするには最小切開、ランドマーク(眉毛、鼻、口唇など)を上手く利用することが大切です。
やはり皮膚腫瘍は手術に慣れた皮膚外科医が執刀するのが一番です。皮膚腫瘍はほぼ全例を病理組織検査に提出します。診察、手術、病理組織検査、抜糸など全て保険診療です。
皮ふ科SSクリニックにお気軽にお立ち寄り下さい。
ちなみにSSは皮膚外科手術 Skin Surgeryが由来です。こだわっています。
(写真はいずれも個人情報保護法に基づき患者さまの承諾を得ています)