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多血小板血漿療法 【W-PRP注入療法】
2009-10-04 UP! カテゴリー:W-PRP, 診療だより
最も難渋する治療の一つが眼の下の小じわです。
新しいタイプのヒアルロン酸であるリデンシティーもしくは多血小板血漿療法を行っています。
多血小板血漿療法(W-PRP)はかなり普及されました。
自分の血液を用いて肌の再生を促す、シワ・タルミの治療です。
もともと血液に含まれている血小板や白血球は体にできたキズを治す働きをしています。
その血小板と白血球を濃縮し併用して用いることで、ヒトが本来持っている自然治癒力・組織再生力を
最大限に引き出します。
自分の血液で自分の肌を再生させる、再生医療を応用した治療法といえます。
当院での再生医療の手順について説明します。
36歳のとてもチャーミングな女性です。眼の下のこじわを気にされて来院されました。
特殊な採血管で採血します。この採血管1本で血液を9cc取ります。
献血の400ccに比べるとわずかな血液量です。
強く駆血しすぎると血球が破壊されカルシウムイオン濃度が高くなってしまいます。
すでにこの時点から治療の仕上がりは影響されるのです。
遠心分離機で血球成分と血漿を分離します。
分離された状態です。ここからは採血管を振動させないよう慎重に取り扱う必要があります。
血漿成分を1ccほど残します。ここに濃縮された白血球、血小板が凝集されています。
血漿は上層からゆっくりと吸引していきます。撹拌させてしまうと効果が全くでません。
*後輩ドクターより以下のような質問がありました。
「遠心分離にかけると白血球、血小板などの血球成分もフィルター下の赤血球の層にいくのでは?」
下の試験管を良く見てください。中央に白い固まりがあります。
これはフィコールのような分離フィルターです。これにより密度勾配遠心がかかり、白血球と血小板が
白い分離フィルターより上の層にたまるのです。このフィルターがこの試験管のポイントです。
塩化カルシウムが入ったスピッツに入れます。
活性化されたW-PRPです。これは強力ですよ。
30Gの針を用いて眼の下に注入します。注入点は3点、皮下脂肪のレベルに注入します。
時間がたつにつれてゲル化が進むので、手早く正確に施術します。
ガーゼを用いて顔の輪郭に沿って軽く押し広げます。強く押し付けるのもよくありません。
この操作で仕上がりが左右されるほどです。
施術直後の状態です。発赤が目立ちます。
発赤は3日間くらいは目立ちますのでOLさんは週末の施術がよいでしょうね。
W-PRP療法は下眼瞼の小じわよりはゴルゴラインのくぼみ、ほうれい線のほうが効果は高い印象を感じています。
下眼瞼の小じわ治療として、
W-PRP以外にもフラクセル照射、ペレブ(高周波治療)、リデンシティーなど多くの治療があります。
侵襲が少なく、効果の持続期間がより長いのが良いのは言うまでもありません。
これからもずっと眼瞼治療を追求していきます。