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第26回日本美容皮膚科学会
2008-08-31 UP! カテゴリー:診療だより
つくづく良かったと思うことがあります。それは私がゴルフをしないことです。学会参加など日曜日をとても有効に使うことができます。8月30日~31日の2日間、大阪のリーガロイヤルホテルで第26回日本美容皮膚科学会が開催されました。30日土曜日の診察が終わった後、新幹線に飛び乗り大阪に向かいました。私が学会に参加する目的は2つあります。
① 新しい治療法を知り有用ならば積極的にクリニックの診療に取り入れる。
② 自分の診療が独りよがりになっていないか再確認する。
特に②は大切です。開業というのは個人経営ですのでどうしても独りよがりになりがちです。人には思い込みが付きまといます。術後に必要もなく行われる消毒、手術後の傷を抜糸まで濡らしてはいけないと入浴を禁止する指導、これらはすべて医師側の思い込みです。
私はクリニックでしみ、しわ、たるみのレーザー治療(正確にはフォトRF治療)を行っています。今回の学会ではJMEC社さんが主催したハンズオンセミナー(実際にレーザーを照射するセミナー)にて古村南夫先生(島根大学医学部皮膚科 准教授)がシネロン社のフォトRF治療を実演してくれました。 実演後に古村先生にいくつか質問させて頂きましたが私の施術が妥当なものであることが再確認できました。またJMEC社の西村浩之社長からDSハンドピースを用いた肝斑への低出力レーザー治療(東京女子医大方式)など大変貴重なアドバイスをもらいました。この場を借りて御礼申し上げます。
さてさて、今回の学会で得た新知見について気の向くままに書き出します。
* まずはアダパレンです。これはニキビの新しい外用薬です。ニキビには国内でいくつかの外用剤があります。しかし面皰タイプの白ニキビに有効な外用剤はありませんでした。アダパレンは白ニキビにも効果が期待できる外用剤です。日本でもいよいよ10月に処方が可能となります。
* 新しい糸を使ったフェイスリフト。従来は切れ込みのある糸を使い、切れ込みの部分を皮下組織に引っ掛けることでたるんだ皮膚を引き上げていました。とても素晴らしい手法ですが切れ込み部分が構造上弱く、その部分で切れてしまうことがあります。新しい糸は極小のビーズのようなものを一定の間隔で糸そのものに取り付け、そのビーズ部分で皮膚を引き上げる手法です。この手法のビデオを見させてもらいましたがとてもわくわくしました。私もいろいろとチャレンジしていきます。
* エレクトロポレーション理論も大変興味深かったです。電気パルスを利用することで細胞膜の通過性を向上させ分子量の大きな薬剤を皮膚に導入する方法です。シンポジウムを聴講しましたがその効果は驚くほどでした。しみ、しわに対する画期的な治療となる可能性が大です。メソアクティス(イタリア製)という機械がこの施術に対して評判がよいようです。院長もSSクリニックでのデモンストレーションを早速申し込みました。さすがでしょ(笑)。すべては決断です。
まだまだ書きたいことはたくさんありますが内容が専門的になってしまいますので終了します。あ~学会はやっぱり面白い。学び続けることはとてもエキサイティングなことですね。
古村南夫先生(島根大学医学部皮膚科 准教授)とのツーショット。
メソアクティスのブース前で。ご機嫌なスマイルしんちゃん院長。