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ボトックスと Sobotta解剖学
2009-12-23 UP! カテゴリー:ボトックス, 診療だより
私がクリニックで常時手元に置いているのが Sobotta解剖学です。
ソボッタ解剖学、ドイツの解剖学書です。
虎の門病院研修中に大原國章先生が愛用しているのを見てこっそり購入しました(笑)。
シェーマ(絵)にリアリティーがあり、いい本ですよ。
頚部は大切な神経が走行しており、この部位の手術の際は毎回確認します。
(下の写真、後頚三角を走行する副神経がくせものです)
すてきなミセスさんです。でも眉間の縦ジワがないと、もっと素敵かも。
このシワは皺眉筋の収縮が原因です。この筋肉は深く、前頭筋の下に存在します。
皺眉筋へボトックスを注射しているところです。
シワの動きを見て、筋肉の走行をイメージします。イメージを確認してから筋層内に注射します。
眼輪筋へ浸潤しないよう、指でブロックして注射します。注射後は15分間ベッドで休んでもらいます。
目から鼻のラインを見てください。思いっきり力を入れているのがわかりますか?
ボトックス注射9日後です。眉間の縦ジワはでませんね。
眉間ボトックスでは合併症に最大限気をつけます。
ボトックスが皺眉筋から眼瞼挙筋に浸潤すると目が開けづらくなってしまいます。
注射時の指ブロックは大切なのです。
またおでこのボトックスでは前頭筋の下方に注射されると目が開けにくくなることがあります。
眼瞼下垂症がある方は前頭筋を代償性に動かしていることが多いためです。
施術前のチェックが大切です。
解剖は本当に大切です。前頭筋、皺眉筋、眼瞼挙筋をよく理解する。
ボトックス治療は経験とそれを裏打ちする解剖学が必要なのです。