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進化するフォトRF治療
2010-04-08 UP! カテゴリー:しみ フォトRF, 診療だより
一つの医療機器を使いこなすには2年かかるな、というのが現在の実感です。
単に私がおバカなだけかもしれませんが・・・。
平成20年5月の開院時よりフォトRF治療を取り入れていました。
最初はメーカーさんから送られる資料を参考に照射していましたが、満足のいく結果が
得られないこともありました。悩みました。
日々の照射、その治療結果からのフィードバックを経て、ようやく自信を持てる治療レベルに近づきました。
ここまで2年かかりました。
治療例を参照に私が行うフォトRF治療の変遷、考え方について述べたいと思います。
下の写真は赤ら顔を主訴に受診された方です。
フォトRF治療にはSR とSRA の2つのハンドピースがあります。
赤ら顔には470~980nm とヘモグロビンへの吸収が高い波長を含むSRA を選択します。
施術1週間後です。本人は「赤ら顔にいいですよ。頬部にハリも出ますね~」とご満悦です。
本題はここからです。
両頬部に細かい痂皮(micro crust)が出現しているのが分かりますか?
右頬部のアップです。シミの一部に細かい痂皮が出ています。
左側の頬部のアップです。
1ヵ月後です。写真では分かりにくいですが、ほくろは残っていますが頬部のシミが少しだけ
薄くなっています。
もしもこの方の主訴が赤ら顔ではなく、頬部のシミ、くすみだったらどうでしょう?
私も1回目の照射は標準ハンドピースのSR を選んでいたでしょう。
おそらくこの方はSR で5回照射してもシミの改善は出なかったと思います。
どんなに照射パワーを上げてもSR では効果が出にくい症例は存在するのです。
思うに、2回治療して効果がない治療は10回治療しても効果がでないのではないでしょうか?
ハンドピースのSR とSRA の違いはなんでしょうか?
メーカーのカタログからの抜粋です。
SR 波長 580~980nm、照射時間 ~25ms
SRA 波長 470~980nm、照射時間 ~13ms
どちらもメラニンに対する波長を持っています。
シミ治療においては波長以外に照射時間が大きなファクターになっています。
日本人のしみ治療に25ms という照射時間は長すぎるのかもしれません。
SR にはそのよさもあります。
日に焼けた人、雀卵斑(ソバカス)の1回目にはSRA は反応が強すぎて使いづらいです。
色白の人のしみ・雀卵斑治療、よそのクリニックで何回も照射を受けた方は1回目からSRAを私は照射します。それでないと効果が出ないのです。
私には標準ハンドピースのSR のみでシミ治療の効果を出す自信がありません。
SR(Skin Renewal) とSRA(Skin Renewal Advance) の2本のハンドピースがあってこそ
満足のいくフォトRF治療が可能と私は考えています。
治療歴、スキンタイプを考慮してSR とSRA を適切に使い分ける。2~3回で治療効果を出す(インターバルは3~4週間)。そして年に1~2回程度のメンテナンス照射を行い効果を持続させる。
2年間のフォトRF照射の経験からこのよのうな結論となりました。
もちろん私の個人的な考えに過ぎません。