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診療だより

PRP療法

  • 多血小板血漿療法はどこまで有効か?

    2010-08-05 UP!     カテゴリー:PRP療法, 診療だより

    多血小板血漿療法(W-PRP)はどこまで有効か?
     
    難しい問題ですね。
     
    私の経験として、ほうれい線は年齢に関係なくかなり効果があります。
    皮下組織に注入するので濃度の高い細胞成長因子が使えることが理由の一つでしょう。
     
    問題は眼の下です。
    皮膚の薄い部分であり細胞成長因子はかなり低い濃度を使います。
    むちゃくちゃに施術するとダマになってしまうからです。
     
    濃度、注入法に細心の気を使いますが効果がはっきりしない人もいます。
    30歳代は効果が目立たないことがあります。
    ベースの肌がフレッシュなため改善度の差が目立ちにくいのです。
     
    眼の下のしわに効果がでやすい年齢は40歳~60歳くらいである。
    経験からこのように考えています。
     
    おもしろい本を学会会場で見つけました。
    多血小板血漿(PRP)療法入門 全日本病院出版

     
    ちょっと気になる点があるました。この本では2回遠心法を薦めています。
     
    PRP療法はもともと口腔外科領域(下顎骨の再生など)で発達しました。
    私もアメリカの創始者の論文を取り寄せましたよ。
    Marx, R.E. : Platelet-rich plasma : Evidence to support its use.
    J  Oral  Maxillofac  Surg. 62:489, 2004

     

    さてと、能書きはこれくらいにしましょう。
    実践なければ証明されない。証明なければ信用されない。
     
    56歳のチャーミングなミセスです。最初は汗管腫を主訴に来られました。

     
    病変が集族していたのでメスで切除しました。すっきりとしましたね。
    今度はシワが気になるので何とかして欲しいと。

     
    PRP療法を施行しました。下は直後の写真です。少し赤く腫れますね。
    この症例のポイントは下眼瞼の溝(nasojugal groove)に控えめな量で注入、濃度の低い
    PRPを放射状のシワに浅く注入することです。さらに頬の高まりを形成するように皮下へ
    注入することでリフトアップ効果も期待できます。

     
     
    ちょっと手技をシェーマで。
    細胞成長因子の濃度、深さを考えて注入します。

     
     
    施術して2週間がたちました。
    眼の下にはりがでてきました。シワが少し目立たなくなってきましたね。

     
    1ヵ月後です。(写真の条件が異なりすみません。同じ条件で撮影するのは難しい!)
    いい感じに若々しくなってきましたね。最初の写真と比較してみてください。

     
    Yさん、ブログに協力してくれてありがとう。 クリニック開院直後からのお付き合いですね。
    これからもよろしく!

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