診療だより
カテゴリー一覧
W-PRP
-
ほうれい線 あなたの選択は?
2011-02-16 UP! カテゴリー:W-PRP, 診療だより
年齢とともに頬の皮膚がたるみほうれい線が目立ってきます。
嫌ですね~。
ほうれい線の治療の代表がヒアルロン酸治療でしょう。
ヒアルロン酸をほうれい線に注入すると溝が目立たなくなります。
SSクリニックでも施術しています。
コラーゲンに比べて異物反応が少なく比較的安全な治療とされています。
生体内では関節、硝子体、皮膚、脳の細胞外マトリックスに存在するそうです。
過去に数回のヒアルロン酸治療を受けて当院を訪れるかたもいます。
私も要望があればほうれい線へヒアルロン酸の再注入を行います。
ヒアルロン酸治療について思うことがあります。
複数回の治療歴のあるかたを私は見抜けます。
ほうれい線をよく見ると白かったり、触ると硬さを感じることがあるからです。
生体のヒアルロン酸はN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸の二糖単位が連結した
構造を持つ高分子です。
注射するヒアルロン酸と生体内に存在するヒアルロン酸は構造が違うのでしょうか?
私には分かりません。
白く見えるの注入が浅すぎることに起因します。
では、硬さは?
なんらかの異物反応が生じているようにしか私には思えないのです。
2~3回のヒアルロン酸注入なら問題ないでしょう。
では、長期的にほうれい線治療を続けていきたい人には?
私は多血小板血漿療法(W-PRP)をお勧めしています。
自分ならばこちらの治療を受けたいです。
またまた前置きが長すぎました。
39歳、ロシア人とのクォーターさんです。
クリスチーナ、ブログ協力ありがとう。ボルシチ奢りますね。
ヒアルロン酸治療を受けましたが改善しなかったそうです。
ヒアルロン酸の効果が出にくいほうれい線は確かにあります。骨格などの問題でしょうか。
迷わず多血小板血漿療法を行いました。
ヒアルロン酸注入と違い、効果が1ヶ月単位で表れるので自然です。
施術1ヶ月後です。効果が少し出てきたところです。
硬結はなく触った感じがとても自然です。
治療前の側面写真です。
治療3ヵ月後です。より効果が出てきています。
肌にもハリが出てますね。糸ではハリはでないですよね?
私の経験ですと、ほうれい線への多血小板血漿療法は2週間くらいで効果を感じます。
6~9ヶ月くらいまで効果がアップし続けます。その後、数年間効果が持続します。
多血小板血漿療法の利点を私なりにまとめました。
○注射針は30G使用なので痛みがかなり少ない。
○効果が少しずつでてくるので他人にばれにくい。
○ヒアルロン酸と異なりほうれい線が硬くならずナチュラル。
○効果が3年くらい持続するらしいでの頻繁な注射が不要。
欠点は、
●塩化カルシウムを入れて最もよく活性化される時間帯があるので術者がせわしない。
●ていねいに作成しないと効果がでない。
●下眼瞼では予想よりも改善度が低いことが多い。
●濃度と注入する深さを考えないと効果がでない、もしくはダマ(小さなシコリ)になる。
(ヒアルロン酸のダマはヒアルロニダーゼで分解できるが多血小板血漿のダマは分解が
困難)。
クリスチーナは下眼瞼の効果が不十分であったので再チャレンジしました。
32Gの針を用いルーペで真皮内の針を透見し、よい深さに確実に注入するのがコツです。
多血小板血漿療法による下眼瞼治療はかなり熟練の技が必要ですね。
京都のK師匠に言われたことがあります。
「多血小板血漿療法は家にたとえるとリフォームです。土台を一回壊してから再構築します。
下眼瞼は毎日のまばたきで絶え間なく動くのでリフォームしにくいのです。」
より確実で安全な治療を多くの方に提供したい、そんな所存でございます。