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PRP(多血小板血漿療法)とヒアルロン酸治療
2011-05-12 UP! カテゴリー:W-PRP, 診療だより
数年前までほうれい線の治療といえばヒアルロン酸でした。
私も開業前は東京へヒアルロン酸の有料講習会によく行きました。
いろんな講師がいました。
ほうれい線の治療について私が実際に施術した患者さんの経過写真を比べながら
検討したいと思います。
48歳の女性です。ほうれい線を気にされて来院されました。
(患者さんのご希望により今回は目はカットさせてください)
カルテを見ると平成21年6月となっています。2年前の症例写真です。
この当時、私はヒアルロン酸をメインに施術していました。
ヒアルロン酸注入1週間後の写真です。
ある程度は改善していますが口角部横のシャープなラインがまだ目立ちます。
自分としては納得できない出来映えです。
ヒアルロン酸の有料講習会で講師の先生から言われたことを覚えています。
ほうれい線は鼻の下付近の深い溝の治療は容易だが口角周囲の細くて浅い溝の
治療が大変なのだ、と。
ここの部分を修正するのにヒアルロン酸を溝と平行に注入するだけでなく、横方向にクロス
して追加注入する方法を講師の先生は説明していました。
この患者さんが2年ぶりに来院されました。平成23年1月の写真です。
またほうれい線が元に戻ってきたので治療してほしい。
ヒアルロン酸でなくW-PRP(多血小板血漿)をお勧めしました。
以下のように説明しました。
治療費はヒアルロン酸より高額だが効果の持続期間がずっと長い。
ヒアルロン酸治療では改善できなかった口の横ジワも改善できるかもしれない。
W-PRP治療の2ヵ月後の写真です。いい感じですね。
W-PRP治療4ヵ月後です。口の横ジワ消えましたね。
再度比較します。
治療前の左横顔です。口の横ジワが目立ちます。
治療後4ヵ月の左横顔です。ナチュラルな仕上がりです。
若々しいお肌になりました。
これなら患者さんも大満足ですね。肌のハリもでるから不思議です。OK!
ここからは私見です。
PRP治療はまだ見解が統一していない点もあります。
細胞成長因子を入れたほうがよいか、入れないほうがよいか、など。
細胞成長因子を入れると施術部にしこりを生じるリスクがある、というのが入れない派の
理屈のようです。
しこりは細胞成長因子を入れないPRP療法でも生じることがあります。
しこりは注射する深さ、注入量によるところが大きいのです。
私は細胞成長因子を入れる派に組しています。改善度が違うからです。
年齢、皮膚のたるみぐあいで細胞成長因子の濃度は変えています。
細胞成長因子を入れないこともあります。
膨らみを出さずに肌の質感だけを改善する時は成長因子を入れません。
下眼瞼などは時にそのようにしています。
いろいろとドクターによって言い分があるとは思いますが、結果が全てです。
しわでお悩みの方はお気軽にご相談にいらしてください。
一方的にW-PRP療法を勧めたりはしません。
お互いが納得いく治療がもっともよい治療だと思います。