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レーザー脱毛 男の口ひげ
2012-07-05 UP! カテゴリー:レーザー脱毛, 診療だより
う~ん、マンダム。ちょい痛いです。スタッフに顔を脱毛してもらっています。
最新の脱毛レーザー機で口周りのお手入れ。
ほとんどヒゲがなくなりましたがまだまだ抜けない部位があります。
写真でレーザー脱毛しているオトガイ付近です。
この部分はかなり脱毛に手こずります。
今回は皮毛角について。
第111回日本皮膚科学会総会のモーニングセミナーで葛西健一郎先生の脱毛理論を
聴講する機会に恵まれました。
葛西先生のご講演より。
「脱毛の要因には毛の太さ、密度、毛周期などあるが、皮毛角(毛が生える角度)が
かなり重要なファクターである。しかしながら脱毛の成書ではまったくそのことは触れら
れていない!」
講演を聞いてなるほどと思いました。
私も最近は男性の口周りのひげ脱毛を積極的に行っています。
潜在的なニーズはかなり多いと思います。
本当にメンズエステでヒゲは抜けるのかな~。
数回のレーザー脱毛でかなり薄くなります。
なかなか抜けてくれないヒゲがあるのです。それがオトガイ部周囲です。
よく観察するとこの部位では毛が皮膚と垂直方向に生えています。
ここが肝です。
レーザー照射のイメージ図です。皮毛角が大きい(右図)ほど光エネルギーがロスします。
皮毛角を30度と60度で比べます。バルジ領域の毛幹細胞を青色で示しました。
青色で示されたの毛幹細胞が破壊されれば脱毛できるわけです。
三角形のおさらい。毛幹細胞を縦・横方向に分解します。
縦方向はレーザーエネルギーが素通りすると仮定すると、熱エネルギーが有効なのは
横方向のベクトル成分です。
皮膚を通過した熱エネルギーを1とすると
皮毛角30度での有効成分は√3÷2=0.866・・・、60度では0.5となります。
皮毛角60度では30度の毛に比べ受け取る熱エネルギーが57~58%しかないのです。
皮毛角60度の毛を脱毛しようとすれば30度の毛より1.7倍以上の照射エネルギーが必要になります。
1.7倍!!
以上より皮毛角が大きい毛の脱毛治療が容易でないことが理解できます。
表皮にダメージなくハイパワー照射する、ロングパルスヤグレーザーの出番です。
脱毛も本気ですると奥が深く、興味深いです。
シミ、脱毛は治療結果が明らかなので誤魔化しがききません。
そういう治療を高いレベルで追及していきます。
追記
脱毛における皮毛角について葛西形成外科 葛西健一郎先生より多大なアドバイスを頂きました。
この場を借りて御礼申し上げます。