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粉瘤 取るべきか、放置すべきか?
2013-03-10 UP! カテゴリー:粉瘤, 診療だより
粉瘤治療の大原則は完全摘出です。
少しでも取り残すと再発します。
できれば傷跡が小さいくりぬき法で摘出したいですが、メスで
摘出したほうがよい粉瘤もあります。
35歳女性。左臀部の粉瘤です。
エコー検査です。粉瘤の形がいびつで表皮から少し離れています。
このような症例はくりぬき法は難しいです。
メスで摘出します。粉瘤は脂肪組織まで及びます。
再発しないよう完全摘出します。
病理組織標本です。完全に摘出されています。
表皮と粉瘤の上端が離れているのが分かりますか?
これだけ離れているとくりぬき法は難しいです。
左臀部の創は吸収糸で盛り上がるように真皮縫合してナイロン糸で
連続縫合します。皮膚のシワにそった創はいずれ目立たなくなります。
粉瘤手術はくりぬき法にこだわらず症例によって術式を選択するのが
よいと思います。
ちょっと一言。
粉瘤治療について気になることがあります。
今回の症例は他院で悪いものではないから放置してよい言われたそうです。
説明は間違ってはいませんが、医師として言葉が足りません。
私なら次のように説明します。
「粉瘤は良性の皮膚腫瘍です。放置してよいと言う医師も多いでしょう。
しかし、腫瘍ですので少しずつ大きくなります。
手術の傷跡は腫瘍の大きさと比例します。小さいほうが傷も小さくすみます。
問題なのは臀部は日常生活で擦れることより粉瘤に炎症が生じることがあります。
化膿すると腫れてかなり痛いです。メスで切開排膿しなくてはなりません。
その際は2週間くらいの通院が必要となります。どうするのがよいかご自分で
じっくりと考えてください」
粉瘤が化膿した場合(赤くなり痛みを生じます)はしばらく手術を受けることが出来ません。
化膿した場合はお近くの皮膚科を受診してください!