診療だより
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粉瘤
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粉瘤 -皮膚外科で治す-
2014-03-12 UP! カテゴリー:粉瘤, 診療だより
しつこく、粉瘤について。
ブログに協力して下さった患者さまに、心より感謝します。
21歳のギャルです。
2年前より、左頬にしこりが出てきたと。1年前に地元の市民病院形成外科を受診。
悪いものではないので、放っておけばよいと。ちょっと無責任すぎませんか・・・。
放置しても、なくなることはありません。
どんどん育つか、化膿するか。どちらも嫌です。
平成26年2月初旬に、当院を受診されました。
粉瘤は深く、咬筋を圧迫しています。
当院で行っている、くりぬき法について説明しました。
なかなか話がかみ合わず、残念ですが、その日は物別れ。このようなことが、時々あります。
1週間後に再診されました。当院を受診したすぐ後に、某大学病院形成外科を受診。
傷痕のことを、いろいろと言われたそうです。ご本人がくりぬき法についてお話したところ、それをやっている病院で
治療を受けたほうがよいと。なんのこっちゃ(笑)。
くりぬき法は粉瘤のヘソをダイレクトにくり抜くことが大切です。
余談ですが、メスでまともに切除縫縮したら、大きな傷になりますね。
若い女性の顔に、大きな傷をつけたくはありません。4mm トレパンでくり抜き、しっかりと粥状物を出し切ります。
嚢腫壁が出てきました。こんにちは。
チタン製のアイリス剪刃で、剥離して取り出します。
丸く穴をあけましたが、皮膚の緊張で皮膚割線に沿った
楕円形になります。
しばらくは厳重な閉鎖療法を行ってもらいます。
傷をきれいにするには、患者さんの努力もとても大切です。手術13日目です。半年もすれば目立たなくなります。
患者さんも満足されて、私も嬉しいです。
病理組織標本です。切り出し作業でぶつ切りされていますが、
しっかりと全摘できていますよ。
皮膚外科で行う、粉瘤手術。 よいでしょう?
私たち皮膚外科医は日本皮膚外科学会を通して、切磋琢磨し合い、
よりよい医療技術を追求し続けています。
【注 意】
粉瘤に発赤・腫脹などの炎症所見がある場合は手術の時期ではありません。
なるべく早く地元の病院(皮膚科・形成外科・外科など)を受診してください。