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ADM(後天性真皮メラノサイトーシス) について -再考-
2014-03-26 UP! カテゴリー:ADM(ルビーレーザー), 診療だより
数年前、このブログでADM(後天性真皮メラノサイトーシス)について、
記載したことがあります。10代後半より、両側の頬に出現する色素斑です。
前額、下眼瞼、鼻に生じることもあります。両側性遅発性太田母斑様色素斑とも呼ばれます。
想像以上に頻度が高い色素斑です。
ひと月に数例は治療しています。
治るのか?
適切な診断、適切な治療で治ります。
ブログに協力した頂いた患者様に心より感謝します。
初診時、31歳の女性のかたです。
高校生の頃より、両側に褐色斑が出現しました。どこの病院にいってもシミと言われたそうです。
若い女性です。これは気になりますね。典型的なADMです。
このような典型例を肝斑と診断、あるいはシミとひとくくりにされ、レーザートーニング
されてしまう症例が後を絶ちません。ADMに対して、レーザートーニングはまったく意味がありません!!
美容皮膚科医よ、診断能力を高めてください。
治療はQスイッチルビーレーザーがゴールデンスタンダードです。
1回の照射治療で70%くらい薄くなります。論より証拠。経過を提示します。
照射治療22日後です。もっともつらい時期です。
炎症後色素沈着が強く出現する時期です。照射法に一工夫あるのが分かりますか?
炎症後色素沈着は必ず消退します。
炎症後色素沈着を恐れて、低出力で照射すると、効果が落ちます!照射治療して1年3ヶ月後です。完全ではないですが、薄くなっています。
こんな感じです。
この患者さんは完璧に取りたい希望が強く、2回目のレーザー照射を予約されました。
きれいになりますよ。葛西健一郎先生が言われた言葉が記憶に強く残っています。
「俺はADMで2回より多く照射したことがない。平均1.5回だ。それで取れる。」最初は、??と思いました。
なぜなら、藤田保健衛生大学皮膚科のA先生が、東海地方会でADMの治療について、
治療の平均回数4回と発表されていたからです(Q-アレキサンドライトが使用)。私の今までの治療経験です。
ADMは実は治療効果がすごく高い。1回での満足度もかなり高い。どうやら、葛西先生と同じ結論に落ち着きそうです。
治療回数を減らすコツは、Qスイッチレーザーの選択と適切な出力です。