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粉瘤 アテローマ -小さな傷痕で治す-
2014-04-13 UP! カテゴリー:粉瘤, 診療だより
おかげさまで、日本中から粉瘤の患者さんが来られます。
ありがたいことです。
今回もブログに協力くださり、本当に感謝しています。
こんなに大きくなるまで放置してはいけません。
頬の粉瘤は意外に深くまで浸潤していることが多いです。
エコー所見より、くりぬき法が可能と判断しました。
くりぬき法の適応を決めるのに、エコー検査は必須アイテムです。勤務医の頃は、メスで紡錘形に大きく切除していました。
どんなに丁寧に真皮縫合を行っても、線状の傷は生涯残ります。
開業して、意識革命が起こりました。美容外科を標榜していること、私の美意識の観点から、大きな傷を
残すことに、ためらうようになりました。トレパンのサイズを選ぶことから、勝負は始まっています。
粥状物をしっかりと揉みだします。
くりぬき法は意外とコツが必要です。刃先が薄い上等な剪刃を使います。
とにかく、剥離すること。剥離しながら摘出します。
つるりと出てきました。紐のようにぶら下がって見えるのは、
周囲の結合組織です。完全に摘出しなくてはいけません。
手術直後です。4mmの穴ですが、いがいと大きく感じます。
傷を見て驚かれるかたもいます。
大丈夫です。
クリニックで説明する閉鎖保存療法を10日間行えば、創はしぼんで
小さくなって、治りますよ。ゲンタシン軟膏での開放療法ではダメです。
それでは陥凹が残ってしまいます。しっかりとした術後の説明・指導、患者さんの協力があってこそ、
よい結果が生まれるのです。術前に、しっかり説明してくれるクリニックを選ぶと、よいと思います。
【注 意】
粉瘤に発赤・腫脹などの炎症所見がある場合は手術の時期ではありません。
なるべく早く地元の病院(皮膚科・形成外科・外科など)を受診してください。