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診療だより

粉瘤

  • 粉瘤 アテローマ -小さな傷痕で治す-

    2014-04-13 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    おかげさまで、日本中から粉瘤の患者さんが来られます。

    ありがたいことです。

    今回もブログに協力くださり、本当に感謝しています。

    41歳の女性です。滋賀県から来られました。

     

    こんなに大きくなるまで放置してはいけません。

    頬の粉瘤は意外に深くまで浸潤していることが多いです。

    エコー所見です。深いですが、腫瘤の境界は明瞭です。

     

    エコー所見より、くりぬき法が可能と判断しました。
    くりぬき法の適応を決めるのに、エコー検査は必須アイテムです。

    勤務医の頃は、メスで紡錘形に大きく切除していました。

    どんなに丁寧に真皮縫合を行っても、線状の傷は生涯残ります。
    開業して、意識革命が起こりました。

    美容外科を標榜していること、私の美意識の観点から、大きな傷を
    残すことに、ためらうようになりました。

    トレパンのサイズを選ぶことから、勝負は始まっています。
    粥状物をしっかりと揉みだします。

     

    くりぬき法は意外とコツが必要です。刃先が薄い上等な剪刃を使います。
    とにかく、剥離すること。剥離しながら摘出します。

     

    つるりと出てきました。紐のようにぶら下がって見えるのは、
    周囲の結合組織です。完全に摘出しなくてはいけません。

     

    手術直後です。4mmの穴ですが、いがいと大きく感じます。
    傷を見て驚かれるかたもいます。

     

    大丈夫です。

    クリニックで説明する閉鎖保存療法を10日間行えば、創はしぼんで
    小さくなって、治りますよ。

    ゲンタシン軟膏での開放療法ではダメです。
    それでは陥凹が残ってしまいます。

    しっかりとした術後の説明・指導、患者さんの協力があってこそ、
    よい結果が生まれるのです。

    術前に、しっかり説明してくれるクリニックを選ぶと、よいと思います。

     
     【注 意】
    粉瘤に発赤・腫脹などの炎症所見がある場合は手術の時期ではありません。
     なるべく早く地元の病院(皮膚科・形成外科・外科など)を受診してください。

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