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それは粉瘤ではない! -皮膚混合腫瘍-
2014-10-06 UP! カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより
他院で粉瘤と診断されて、当院を受診される患者さんが少なからず来られます。
石灰化上皮腫、皮膚線維腫、皮膚混合腫瘍、耳下腺腫瘍、リンパ節、せつ、・・・
いずれも他院で粉瘤と診断された疾患です。
皮膚腫瘍の中で最も遭遇する頻度が高いのは粉瘤です。
だからといって、膨らんでいる腫瘍をすべて粉瘤と診断するのはいかがなものでしょう?皮膚腫瘍の鑑別診断が難しいのは事実です。
今回ブログに協力頂いたのは56歳の男性です。
鼻にしこりが生じ、大きくなってきました。触った感じは粉瘤よりずっと硬いです。
触診、生じた部位から皮膚混合腫瘍などを考えました。エコー所見も粉瘤の像ではありません。充実性の腫瘍を疑います。
粉瘤ではないので、くりぬき法はできません。
腫瘍にメスが入り込まないように、ていねいに執刀します。
一塊として腫瘍を摘出することが肝要です。【病理組織検査】 皮膚混合腫瘍の像です。
薄い被膜をつけて全摘できています。【病理組織検査 拡大】
上皮系、間葉系、さまざまな細胞から成ります。今回、私が言いたかったことは、皮膚腫瘍の種類によって術式が変わることです。
なんでもかんでも粉瘤と診断するのは品がありません。
エコー検査を行うと診断精度がぐんと上がります。
皮膚のできものは皮膚外科クリニックがお勧めです。