診療だより
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シミ治療 -炎症後色素沈着について-
2015-06-11 UP! カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより
シミ治療を見渡すと、まだまだ誤解しているドクターが多いようです。
私のブログはドクターの閲覧も多いので、あえて忌憚無き意見を
述べます。ブログに協力頂いた患者さまに深謝いたします。
患者さんの善意でこのブログは成り立っています。42歳の女性です。
10年前にお顔のシミ(老人性色素斑)にフォトフェイシャルを施行。
効果が無いため、他のG美容皮膚科を受診されました。この患者さんが最も気にされているシミは、右こめかみの老人性色素斑です。
G皮膚科ではロングパルスアレキサンドライトを7回施行。
それでも効果が無いので、平成26年9月16日と10月16日の2回にわたり、
Qスイッチアレキサンドライトレーザーを施行されています。当院初診時のお写真です。最後にレーザー治療を受けて1ヶ月半です。
おわかりでしょうか?色むらがあるまだらな色素斑です。
炎症後色素沈着の所見です。ダーモスコピー像です。老人性色素斑に比べて、色素が網目状です。
患者さまはすぐにでもレーザー治療を希望されています。
実はG皮膚科で1ヵ月後にQアレックスの予約が入っているそうです。これはかなりおかしな状況です。
短期間に同じ病変にQスイッチレーザーを照射することは不合理です。
患者さんには現在の状況はシミの取り残しではなく、レーザー後に生じる
一過性の炎症後色素沈着であることを説明しました。とにかく、何もしないで待つこと!
この経過から、待つことがいかに大切かがお分かりになると思います。
Qスイッチアレキサンドライト照射なので、数年したらシミが再発する可能性はあります。
その時はQスイッチルビーレーザーで照射すればよいでしょう。この患者さんは私を信じて、6ヶ月通院してくれました。ありがたいことです。
美容治療は患者さんと医師の信頼関係が絶対条件です。それにしてもG皮膚科は、なぜ短期間にQスイッチレーザーを3回も照射しようと
したのか?正直に言うと、美容皮膚科はこの程度のドクターのほうが多いのです。
7回も行ったロングパルスアレキサンドライトレーザーも、私に言わせれば戯れです。
レーザー治療の適応と理論を本気で勉強しましょう。