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粉瘤 -くり抜き法で再発?-
2017-06-20 UP! カテゴリー:粉瘤, 診療だより
「他院で粉瘤のくり抜き法を受けたが再発しました」
そんな問い合わせが増えています。
経験の浅い医師による不適切な手術が目立ちます。
くり抜き法をホームページで広めすぎた私にも責任があるのかもしれません。
安易にいい加減な手術を行う皮膚科医が多いことに戸惑っています。今回紹介する患者さまも気の毒な結果になっています。
平成27年ころより、左顎にできものが出現。
平成28年5月に名古屋市内の皮フ科クリニックを受診されています。手術予約を取り、予定通り手術を受けられましたが、
手術直後より膨らみが残っていたとのこと。左顎の膨らみはなくなるどころか大きくなってきたので当院に来られました。
39歳男性、左顎の腫瘤です。前医による発赤が残っています。
エコー検査です。粉瘤はしっかり残っています。
当院で手術させていただきました。
再発ということもあり、4mmでくり抜きました。
袋をすべて取りきることがポイントです。
この操作は手術室でルーペを用いて行うべきものです。
簡易ベッドでいい加減に手術するなどもってのほかです。
摘出した粉瘤です。
摘出した後です。
病理組織検査です。
粉瘤はわりと深かったです。
手術してから13日後です。
傷がかなり小さくなっています。よい経過です。
医師を選ぶことが大切な時代になってきました。
どうしたら再発しないくり抜き法を行う医師を見つけることができるのか?
説明が曖昧であったり、再発するかも・・・などど言い訳する担当医はどうなのでしょう?
粉瘤に限らず病気の治療を受ける場合、私なら担当医の症例実績、理念、全体の雰囲気など
から判断すると思います。
みなさんも賢い選択をしてください。
【注 意】
粉瘤に発赤・腫脹などの炎症所見がある場合は手術の時期ではありません。
なるべく早く地元の病院(皮膚科・形成外科・外科など)を受診してください。