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後天性真皮メラノサイトーシスの重症例 ーその1ー
2020-03-31 UP! カテゴリー:ADM(ルビーレーザー), 診療だより
「どこに行ったらよいのでしょうか?」
患者さまからよく聞かれます。
シミ・アザで全国チェーンの美容外科クリニックを受診される人も
多いと思います。
電車の中の広告・テレビのCMで見たから、大手だから、料金が安かったから。
むむむ・・・・。
大切なお顔の治療をそんな理由で決めていいのでしょうか?
20才頃より出現する頬、鼻のアザ。
それが後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)です。
患者さんの大半は全国チェーンの美容外科で肝斑と診断され、
意味なくレーザートーニングのコースを契約されます。
当然、効果はなく、患者さんご自身がインターネットで調べられて
当院を受診されます。
今回ブログに協力して頂いたのは49才の女性です。
めずらしく2回にかけて経過を供覧します。
20才頃より両頬に灰青色の色素斑が多発してきました。
28才と44才のときに違う美容外科を受診されています。
典型的なADMです。 なぜ肝斑と診断されるのか??
アザは比較的広範囲であり、褐色というより灰青色に見えます。
アザはメラニン色素が真皮のどの深さにあるかで色が変わります。
今回のように灰青色に見えるアザは病変が深いです。
メラニン色素が深さによってどう見えるかが分かります。
Qスイッチルビーレーザーであれば通常は1回の治療でかなり目立たなく
なりますが今回のように色素が深い場合は2回治療が必要となります。
アザはレーザーのダメージがあるので丁寧な説明が必要不可欠です。
マスクができる季節が治療に向いているのかもしれません。
①回目照射して1週間後です。病変が薄いカサブタで覆われています。
この時期が一番大変ですが化粧でカバーしてもらいます。
①回照射して11ヵ月後です。
通常ADMは1回照射で70%ほ ど薄くなりますが、この方はまだ目立ちます。
治療前 1回治療後
治療前 1回治療後
今回のようにADMが褐色ではなく灰青色を呈しているケースでは1回の
レーザー治療だけでは物足りないことがあります。
次回はQスイッチルビーレーザーを2回照射した後の結果をお見せしますね。
楽しみにしてください!