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粉瘤くり抜き法「三種の神器」 -鏡その2-
2020-06-08 UP! カテゴリー:粉瘤, 診療だより
さあ、三種の神器、「鏡」の続きです。
もう一つは、医療ルーペです。
SSクリニックでの三種の神器「鏡」は、無影灯と医療ルーペです。
医療ルーペと言えば、医龍の朝田ドクター、ドクターXの大門未知子が
手術中に装着していましたね。
美男美女が着用すると、ほんとうにさまになります。
今回ブログに協力頂いたのは49歳の男性です。
深くお礼申し上げます。
10年前からある、左後頚部の粉瘤です。
どんどん育ってきたそうです。
これだけ育った粉瘤を、メスで切除して縫い縮めると、かなり大きな
傷跡が残ってしまいます。
男性でも、それは嫌ですね。
エコー検査で、袋はきれいな状態。 くり抜き法の適応です。
くり抜き法で、袋の内容物を揉み出します。
袋を完全に摘出します。
袋は、穴をあけた入り口に残ることがあるので、ルーペをつけて
しっかり観察します。
袋を疑う組織があれば、必ず追加切除します。
袋が完全に取れました!
病理組織検査像です。粉瘤の入り口です。
粉瘤の底部分です。
手術してから2週間が経過。穴はほぼふさがりました。
最終的には、ニキビ痕くらいの傷で落ち着きます。
小さな穴で粉瘤の袋を取りきるには、無影灯で明るい視野を
確保すること、医療ルーペで術野を拡大することが、とても大切です。
医療ルーペは、ずいぶん浮気をしてきました。
遍歴を時系列に紹介します。
メディカルU&A社のスポーティーなルーペ。
アディダスのロゴがお洒落ですね。
聖心美容外科札幌院の前多一彦先生愛用のDr.Kim
美容外科医の間で人気が高いサージテル。
最後に行き着いたのが、PENTAX (HOYA) 3倍ルーペ。
レンズの数が多いので、視野が広く明るいのが特徴です。
ルーペだけで、かるく100万円以上を投資してきました。
いい手術をするためです!
私が行うくり抜き法は、日々進化しています。
より小さな穴で、再発させないことを目標としています。
自費で行うことが多いですが、それだけの価値は十二分にあります。
三種の神器「鏡」その2=医療ルーペでした。
次回は三種の神器、「玉」=皮膚超音波機器を紹介します!