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粉瘤くり抜き法「三種の神器」 ー剣(つるぎ)ー
2020-06-15 UP! カテゴリー:粉瘤, 診療だより
あっという間に、最後になりました。
さびしいです・・・。
粉瘤くり抜き法「三種の神器」、最後は剣(つるぎ)です。
「くり抜き法」における剣は剪刃(せんとう)です。
剪刃は手術用のハサミのことです。
開業当初は写真上の眼科剪刃、3年目から写真中央のアイリス剪刃、
現在は写真下のスプリング式剪刃を使用しています。
それぞれの剪刃に良さがあります。
が、粉瘤のヘソ周囲は袋が入り組んでいることがあり、
刃先が薄いほうが手術には有利です。
眼科用のスプリング式剪刃は刃先が薄く、切れ味もよいです。
今回は40歳代女性のかたにご協力いただきました。
ありがとうございます。
数年前から右肩にできものがあります。
皮膚に穴があいており、見た目も気になると。
エコー検査です。
臨床的に粉瘤を考えますが、エコーでは無エコー領域が出現。
内容物がかなり硬くなっていることが疑われます。
4mmでくり抜きます。
スプリング式剪刃で袋を皮膚から上手に剥がします。
黒いかたまりがでてきました。
やはりスプリング式剪刃で切除摘出します。
粉瘤の袋を取り出しました。
病理組織所見です。ヘソの入り口部分。
黒いかたまり部分。
粉瘤の袋はきれいに全部とれています。
ヘソ入り口の病理所見を拡大します。
袋のヘソ部分は重層扁平上皮が複雑に入り組んでいます。
粉瘤くり抜き法による再発はヘソ周囲が多い気がします。
ヘソ周囲をいかに適切に取りきるか!
だから切れ味がよく、刃先が細いスプリング式剪刃がよいのです!
何事もそうですが、
本気で手術するのならば、ここまで極めないといけません。
大学院生のアルバイト医者が、バイト先の診察室で見よう見真似で行う
くり抜き法は、くり抜き法もどきです。
再発がとても多い!
本物のくり抜き法を希望される人は、お気軽にご連絡ください。
最近は自費ですることが多くて、申し訳ありません。