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診療だより

粉瘤

  • 緊急告知 「くり抜き法」にご用心! まがい物が出回っています!!

    2020-08-26 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

     
     私にも、責任の一端があるのかもしれません。
     
     すぐれた術式として、「くり抜き法」の名称を全国に広げすぎました。
     
     右頬のできものを主訴に、当院に来られた患者さんのお話です。
     このエピソードをもとに、最近の流れを検討します。
     
     右頬に約1cmの粉瘤があります。
     
     エコー所見です。
     何度も自分で揉みだしているので、ヘソ周囲が癒着しています。

     
     
     
     インターネットで「くり抜き法」を検索して、某美容外科を探し当てる。
     
     某美容外科を受診すると、いきなりベッドに寝させられ診察の後、
     そのまま手術の流れとなる!
     
     くり抜き法ですかと尋ねると、
     「メスで切る。傷は線が残るよ。場合によってはまた膨らむことがある。」
     
     
     えっっつ・・・!!
     ホームページに書いてあることと、まったく違う!
     
     
     くり抜き法ではないことに驚き、あわててベッドから飛び降り、
     逃げるようにクリニックを出る。
     
     これは悲劇なのか、喜劇なのか?
     
     
     美容外科で行う「くり抜き法」って、何でしょうね?
     
     エコー写真でわかるように、この症例ではヘソ部分をしっかり
     取り切ることが最大のポイントです。
     
     メスで切っても、内容物がでるだけなので必ず再発します。
     癒着したヘソは取り切れません。
     
     
     これは手術ではなく、単に内容物を出すだけの処置ではないでしょうか。
     
     
     粉瘤の病理組織を理解している美容外科ドクターは数少ないです。
     (下の病理組織は今回の粉瘤とは別のものです)

     
     
     
     最近は、美容外科クリニックの「くり抜き法」のネット宣伝が
     目立ちます。
     
     美容外科も過当競争で激戦の時代です。
     
     
    「くりぬき法」の名称を掲げて、集客に利用している可能性があります。
     
     
     クリニックの見分け方として、ホームページに医師の名前が書かれて
     いないクリニックは、避けたほうが無難です。
     
     バイトのハナタレ小僧ドクターだけで回している可能性があります。
     
     経歴が怪しいドクターも要注意です。専門が内科、麻酔科とかね。
     
     SSクリニックのくりぬき法を真似るなら、表面ではなく、本質を真似なさい!
     
     
     こんなことは書きたくなかったです。
     あまりにも目に余ることが多いので、意を決して書きました。

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