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診療だより

ADM(ルビーレーザー)の記事一覧

  • 後天性真皮メラノサイトーシスの治療 -最短で治す-

    2016-12-20 UP!     カテゴリー:ADM(ルビーレーザー), 診療だより

     今回のブログに協力くださったのは23歳の女性のかたです。
    この場を借りて御礼申し上げます。

     思春期より両頬に褐色班が増えてきたそうです。

     治療前の右頬です。

     治療前の左頬です。

     発生した年齢、色素斑の形態、分布より
    ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)と診断することは容易です。

     このような症例もエステやチェーン美容外科に行かれると、
    肝斑と診断されてしまうことがあります。

    キュテラ社のセミナーでADMにピコレーザーを用いてトーニングする内容の
    講演を聴いたことがあります。

    Qスイッチレーザーもしくはピコレーザーを用いてADMにレーザートーニングを
    おこない、どちらが効果があったか比較する治療デザインです。

    レーザー治療は通常ハンドピースと呼ばれる先端部を皮膚に接触して照射します。
    レーザートーニングはハンドピースを皮膚から数センチはなして照射する方法です。

    10回以上のトーニング照射を行った結果、Qスイッチよりピコレーザーのほうが
    効果があったとの報告でした。

    スライドを見ました。
    困ったな、こんなこと医師が本気でされちゃあ。

    どちらもほとんど改善していませんでした。

    肝斑のような表皮の色素病変ならばトーニング治療も意味があるかもしれません。
    ADMのような真皮の色素病変にトーニング照射する意味があるのか?

    私がどうしてもキュテラ社を好きになれないのはこのあたりにあるかも。

    当院ではADMに対してQスイッチルビーレーザー照射を行っています。 

    1回照射で色素病変がおよそ70%ほども薄くなります。
    1回の治療で改善が見込まれます。

    Qスイッチルビーレーザー照射10日後です。
    両頬に紅斑が残り、色素はむしろ濃くなっています。

     ここから少しつらい時期があります。

     ルビーレーザー照射4ヵ月後です。右顔です。
    全体的にぼんやりとした色素沈着が残っています。

    同じ時期の左顔です。もやもやしています。

     炎症後色素沈着と呼ばれるもやもやは治療から6ヶ月~8ヶ月くらいで
     消退していきます。                        

     レーザー照射2年後です。お化粧していてすみません。
    にっこり笑顔です。

     患者さんにお願いして、頬だけお化粧を取らせていただきました。

     もう一度治療前、右頬。

     治療2年後、右顔。

     治療前、左顔。しつこくてごめんなさい。

     治療2年後、左顔。

     なんども書きましたが、
    ADMは1回のQスイッチルビーレーザー照射で70%くらい薄くなります。

    色素が元に戻ることはまずありません。
    1回だけの治療で満足される患者さんが過半数です。

     マスクしやすい冬はADMを治療するのによい季節かもしれませんね。

  • ADM(後天性真皮メラノサイトーシス) について -再考-

    2014-03-26 UP!     カテゴリー:ADM(ルビーレーザー), 診療だより

    数年前、このブログでADM(後天性真皮メラノサイトーシス)について、
    記載したことがあります。

    10代後半より、両側の頬に出現する色素斑です。
    前額、下眼瞼、鼻に生じることもあります。

    両側性遅発性太田母斑様色素斑とも呼ばれます。

    想像以上に頻度が高い色素斑です。

    ひと月に数例は治療しています。

    治るのか?

    適切な診断、適切な治療で治ります。

    ブログに協力した頂いた患者様に心より感謝します。

    初診時、31歳の女性のかたです。
    高校生の頃より、両側に褐色斑が出現しました。

    どこの病院にいってもシミと言われたそうです。

    右下眼瞼から頬にびまん性に広がる褐色の小班。

     

    左頬にも同様の褐色小班が広がります。

     

    鼻翼にも褐色小班が見られます。

     

    若い女性です。これは気になりますね。典型的なADMです。

    このような典型例を肝斑と診断、あるいはシミとひとくくりにされ、レーザートーニング
    されてしまう症例が後を絶ちません。

    ADMに対して、レーザートーニングはまったく意味がありません!!

    美容皮膚科医よ、診断能力を高めてください。

    治療はQスイッチルビーレーザーがゴールデンスタンダードです。
    1回の照射治療で70%くらい薄くなります。

    論より証拠。経過を提示します。

    照射治療22日後です。もっともつらい時期です。
    炎症後色素沈着が強く出現する時期です。照射法に一工夫あるのが分かりますか?

     

    炎症後色素沈着は必ず消退します。
    炎症後色素沈着を恐れて、低出力で照射すると、効果が落ちます!

    照射治療して1年3ヶ月後です。完全ではないですが、薄くなっています。

    治療前。

     

    左頬、照射治療して1年3ヵ月後。

    治療前。

     

    照射治療後の左鼻翼。

    治療前。

     

    こんな感じです。

    この患者さんは完璧に取りたい希望が強く、2回目のレーザー照射を予約されました。
    きれいになりますよ。

    葛西健一郎先生が言われた言葉が記憶に強く残っています。
    「俺はADMで2回より多く照射したことがない。平均1.5回だ。それで取れる。」

    最初は、??と思いました。

    なぜなら、藤田保健衛生大学皮膚科のA先生が、東海地方会でADMの治療について、
    治療の平均回数4回と発表されていたからです(Q-アレキサンドライトが使用)。

    私の今までの治療経験です。
    ADMは実は治療効果がすごく高い。1回での満足度もかなり高い。

    どうやら、葛西先生と同じ結論に落ち着きそうです。

    治療回数を減らすコツは、Qスイッチレーザーの選択と適切な出力です。

  • ADM (両側性遅発性太田母斑様色素斑)の正しい治療

    2010-01-24 UP!     カテゴリー:ADM(ルビーレーザー), 診療だより

    ADM ( acquired dermal melanocytosis )
     
    日本語では両側性遅発性太田母斑様色素斑、後天性真皮メラノサイトーシス
    などと呼ばれています。
     
    20歳ころから両頬、おでこ、目の下などに出現する褐色~灰色のシミです。
     
    シミというよりアザが正確な表現です。
     
    この疾患には反省すべき思い出があります。
    私が虎の門病院で皮膚外科の修行をしていた時(2010年)のことです。
     
    20代のきれいな女性が外来に初診で来られました。
    主訴は両頬部のうすい灰色の色素斑です(記憶が少し不明瞭です)。
     
    その頃の私はADMという疾患に対する知識がありませんでした。
    若くして出現した肝斑かな~と思い、ビタミンCを処方しようとしたところ、
     
    患者さんから
    「これは両側性遅発性太田母斑様色素斑と思うのでレーザー治療して欲しい」
    と言われました。
     
    そんな病気があるんかいな~と訝しがりながらも、患者さんに言われるがまま
    レーザー治療の予約を入れました。
     
    虎の門の外来カンファレンスにて、この患者さんのスライド写真を見て、
    大原國章先生はきっぱりと
    「両側性遅発性太田母斑様色素斑」
    と診断されました。
     
    私は患者さんから教えていただくという、全く不甲斐ない医師でした。
     
    それにしても皮膚外科で日本一の手術を行いながら、シミ、アザ治療にまで
    造詣の深い大原先生は本当に凄いお方だと、今さらながら感じ入ります。
     
    その頃から10年がたちます。
    そんな私も今ではADMも含めたアザ治療も精力的に行っています。
     
    患者さんからブログ写真の協力が得られましたので、合併症を含めて供覧します。
     
    62歳の女性です。
    両側の頬部に左右対称性に存在する小さな斑状の褐色斑です。
    色素斑の分布と融合傾向がないこと、さらには年齢から肝斑ではなくADMと診断しました。

     
     
    褐色斑はややグレーに見える部位もありますね。毛細血管の拡張も目立ちます。

     
     
    ADM以外にも頬部の外側には老人性色素斑も混在しているのが分かります。
    この年代の女性はいくつもの異なる病態の色素斑を併発しているもです。

     
     
    ダーモスコピー(10倍の拡大鏡)の写真です。
    いつも思うのです。ADMも太田母斑のように真皮メラノサイトーシスが疾患の本態です。
    それのなにどうして青色ではなく褐色のことが多いのでしょう?
     
    太田母斑にくらべると、増加した真皮のメラノサイトが浅いのでしょうか?
    いまだに答えが分かりません。誰か教えて下さい。

     
     
    下の図はメラニンが局在する深さによってどのような色調に見えるかを示したものです。
    メラニンが深くなるにつれて褐色→グレイ→青 に見えます。

    「An Atlas of Surface Microscopy of Pigmented Skin Lesion」より引用
     
     
    Qスイッチルビーレーザー照射、11日後です。照射部が脱色素斑となっています。

     
     
    照射1ヶ月後です。炎症後色素沈着を併発しています。
    薄くなったり、濃くなったりまったくせわしないですね。患者さんとの信頼関係が大切です。

     
     
    照射6ヵ月後です。
    合併症も治まり、かなりうすくなりました。


     
    反対側の写真です。現時点での患者さんの満足度は80% くらいかな。

     
     
    第250回 東海地方会(平成21年12月)でもADMの演題がありました。
    その内容を下にまとめました。
     
    ●ADM治療は脱色素斑、炎症後色素沈着を生じやすい。
    ●IWP(照射直後の白色変化)が生じる最小出力での照射が望ましい。
    ●治療間隔は6ヶ月はあけたほうがよい。
    ●治療の平均回数は3~4回である。
     
    1回の治療でここまで改善したらまずまずではないでしょうか。
     
    それにしてもThe Ruby Z-1は凄いやつです。
     
     
    参考文献
    Aesthtetic Dermatology  Vol.19. No 4 December 2009
    「対称性真皮メラノーシスの臨床と発症病態」村上喜美子、溝口昌子

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