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診療だより

粉瘤の記事一覧

  • 脂腺嚢腫 -其の二-

    2014-02-23 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    脂腺嚢腫は臨床が多彩です。

    えんどう豆大のものが多いのですが、米粒くらいのものもあります。

    米粒大の脂腺嚢腫です。エコー検査でかなり表在に局在しています。

     

    2mm トレパンでくり抜きます。

     

    丸く黄色い球体が脂腺嚢腫です。

     

    ダーモスコピー所見です。表皮の黒い部分はマジックの痕です。
    脂腺嚢腫のダーモスコピー所見、世界初公開ではないでしょうか。

     

    病理組織検査です。嚢腫壁が波打っていませんが、脂腺嚢腫です。

     

    脂腺嚢腫の嚢腫壁は粉瘤のそれよりは、ずっと薄くて軟らかいです。

    摘出にはちょっとしたコツが必要です。

  • 脂腺嚢腫 -多発性毛包嚢腫-

    2014-02-18 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    体に生じやすい、ぷつぷつしたできもの。

    非常に数が多く、お困りになり受診される方もいます。

    多発性脂腺嚢腫と呼ばれる皮膚腫瘍です。

    多発性毛包嚢腫とも呼ばれますが、嚢腫壁に脂腺が開口していることより、
    脂腺嚢腫の病名のほうが病態を反映していると思います。

    Blog に協力していただき、ありがとうございます。

    27歳の女性です。腹部を中心に豌豆大の腫瘍が多発しています。

     

    できものをマジックでマーキングしました。大きな傷痕は前医での治療です。

    多発する腫瘍です。なるべく傷を小さくして摘出したいです。

    エコー検査。近くで多発しているのが分かります。わりと深いですね。

     

    私の脂腺嚢腫への手術アプローチ法はほぼ確立しています。

    2mm トレパンで腫瘍をくり抜きます。2mm トレパンを使用するのがコツです。

     

    黄色のクリームチーズ様の内溶物を出してから、袋(嚢腫壁)を取りに行きます。

    脂腺嚢腫は嚢腫壁が本態です。粉瘤より嚢腫壁が波打っており、
    脂腺管が開口しているのが大きな特徴です。

    みき先生の皮膚病理診断ABC ②付属器病変 泉 美貴先生より引用

    嚢腫壁を摘出します。できるだけ刃先が薄い剪刃と小さいが保持力のある鑷子を使う
    ことがポイントです。私は榊(サカキ)の異物鑷子とアイリス剪刃を使用しています。

     

    嚢腫壁を底面から、きれいに摘出します。

     

    脂腺嚢腫は臨床所見が多彩です。ぷりっと出てくるものもあります。

     

    穴は大きく見えますが、わずか 2mmです。極限への挑戦!

     

    どうですか。しっかりと取れているのがお分かりになると思います。

     

    たくさん取ったな~。けっこう疲れる手術です。

     

    創は5-0 青ナイロンで一針だけ縫合します。1週間後に抜糸です。

     

    以前は炭酸ガスレーザー、エルビウムヤグレーザーで小穴をあけて、摘出していました。
    これだと、やはり再発することがあります。

    いろいろな試行錯誤を経て、現在の手技に落ち着きました。
    再発率はほぼなく、創も数ミリです。

    簡単な手技のようですが、ここまでたどりつくのに10年近くかかりました。

    トレパン(穴をあける丸いメス)は、いろいろな可能性を持った医療器具です。
    患者さんへのご負担が、より少ない治療法を提供し続けていきたいです。

  • 感染性粉瘤について

    2014-02-06 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    粉瘤に感染が生じると赤くなり、痛くなります。

    その状態では手術できません。お近くの皮膚科へ、早く受診してください!

    抗生剤の内服、場合によっては切開排膿が必要です。
    感染が落ち着いて、1ヶ月ほどしたら手術が可能です。

    残念ですが、一度感染が生じると、くりぬき法は難しいです。

    今回は感染性粉瘤について。

    ブログにご協力いただき、本当にありがとうございます。

    53歳の女性です。数年前より右乳房内側にあった粉瘤が感染。
    地元の皮膚科で感染をコントロールした後に、当院をご紹介頂きました。

    右乳房内側に腫瘤があります。わずかですが発赤も残っています。
    痛みはなく、感染は落ち着いたようです。

     

    エコー検査です。嚢腫壁の輪郭が不整です。炎症後の所見です。

     

    エコー画像から、くりぬき法は不適応と診断。

    メスで切除するしかありません。
    が、胸は肥厚性瘢痕の好発部位です。

    私としてもあまり気が進みません。

    傷がかなり残る可能性があることを、じゅうぶんに説明します。
    傷が残っても、痛みが再発しないほうがよいとのこと。

    胸は直線の傷になると、肥厚性瘢痕のリスクが高くなります。

    乳房の内側縁に沿ってデザインします。

     

    感染後の粉瘤は、通常よりも広範囲に切除したほうが無難です。
    当然ですが、傷はひらきます。

     

    切除した検体です。

     

    病理組織検査です。粉瘤の壁の下方は破壊されています。

     

    粉瘤下方のアップです。しっかりと取り切れているのが、お分かりと思います。

     

    切除する境界、深さは経験と勘によるところが大きいです。
    メスで切り込むと、炎症がある部位は組織は硬い、色が白色、褐色変性しています。

    メスから伝わる指先の感覚、切り込んだ組織の所見を冷静に観察して、執刀します。

    この症例は二度と再発することも、痛くなることもないでしょう。

    吸収糸(4-0 PDS)で真皮縫合をしっかりと行い、創を盛り上げます。
    ナイロン糸でやさしく、あえて曲線となるように皮膚縫合します。

     

    胸の傷が残りやすい部位です。
    3ヶ月くらいテーピングをしてもらいます。

    手術1ヵ月後の写真です。

     

    胸の手術はほんとうに気が引けます。
    今のところ順調ですが、これから1年間は経過観察しないといけません。

    粉瘤は感染する前に治療するのがよいと、私は思います。

  • 粉瘤 くりぬき法 傷痕

    2013-03-28 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    粉瘤をくりぬき法で取った後の傷痕がどうなるか知りたい。
    そんな問い合わせが多いです。
     
    私は次のように説明しています。
    「くりぬき法も手術なので傷は残ります。まったく何も残らない訳にはいきません。
    体質(肌質?)にもよりますが、ニキビ痕に似た傷になります。水痘痕のような
    瘢痕になることもあります。」
     
    37歳男性。右頬の粉瘤です。
    粉瘤の内側にあるほくろを覚えて置いてください。

     
     
    エコー検査では底面後方エコーの増強があります。粉瘤の像です。

     
     
    4mm トレパンでくり抜き、粥状物を揉み出します。

     
     
    嚢腫壁を底からていねいに取りきります。

     
     
    久しぶりに患者さんが来られました。手術して1年2ヶ月が経過。
    ほくろの外側にちょっと赤い瘢痕があります。

     
     
    もう少し目立たなくなると思います。
    傷がゼロという訳にはいきませんが、そこそこの結果になります。
     
    最近は術後1週間くらいよりハイドロコロイドを貼ります。
    傷痕が凹むことがより少なくなりました。
     
    粉瘤は皮膚腫瘍ですので完全摘出が大原則です。
    が、私は傷痕にも気を使っています。プロの皮膚外科医ですから。
     
     【注 意】
    粉瘤に発赤・腫脹などの炎症所見がある場合は手術の時期ではありません。
     なるべく早く地元の病院(皮膚科・形成外科・外科など)を受診してください。

  • 粉瘤 メスか、くり抜きか?

    2013-03-24 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    顎の粉瘤を2例供覧します。
    粉瘤の状態で術式が大きく異なることを理解して下さい。
     
    42歳男性。右顎の粉瘤です。

     
     
    何回も化膿したそうです。自分でも潰したとのこと。
     
    エコー検査で粉瘤の輪郭は不明瞭、内部エコーも不均一です。

     
     
    くり抜き法は不適応です。
     
    切開線をデザインします。両端の線は顎のラインです。

     
     
    広頚筋の筋膜上で切除します。

     
     
    真皮縫合をきっちりかけて創を盛り上げます。

     
     
    病理組織検査です。粉瘤はしっかりと取りきれています。

     
     
    病理組織検査のアップです。嚢腫壁が4つに飛び散っています。
    このように飛び散った粉瘤はくりぬき法で取りきることは困難です。

     
     
    44歳男性。右顎の粉瘤です。マジックで印をつけました。

     
     
    エコー検査です。両外側陰影があり、嚢腫壁の境界も明瞭です。

     
     
    4mm トレパンでくりぬき法を行いました。半年程でニキビ痕くらいになります。

     
     
    病理組織検査です。プロの技ですね。

     
     
    小さな粉瘤でもその状態によって術式が大きく異なります。
    メスよりはくりぬき法のほうが傷はずっと目立たなくなります。
     
    粉瘤は自分でいじらない、気になるようならば化膿する前に病院に行く。
     
    皮膚外科医である私からのメッセージ、伝わったでしょうか。
     
     【注 意】
     粉瘤に発赤・腫脹などの炎症所見がある場合は手術の時期ではありません。
     なるべく早く地元の病院(皮膚科・形成外科・外科など)を受診してください。

  • 粉瘤 それは手術ではない!

    2013-03-17 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    しつこく粉瘤について述べます。
     
    他院で粉瘤の治療を受けた患者さんも来院されます。
     
    今回供覧するのは39歳の女性です。背中の粉瘤が化膿したことがあり、
    切開排膿処置をそれぞれ異なるクリニックさんで2回受けています。
     
    切開排膿と手術はまったく別のものです。
     
    腫れたときは患者さんも動転しているので医師の説明を十分に理解されて
    ないことが多々あります。
     
    背中です。横方向に切開排膿後の瘢痕が2本あります。

     
     
    切開排膿は手術ではなく処置です。粉瘤の袋が残っています。
     
    一度化膿したことがある粉瘤は再び化膿することが多いので私は根治術を
    お勧めしています。
     
    話は変わりますが、
    メスで粉瘤を切開して中身(角質)だけ出す医師もいると患者さんから聞いた
    ことがあります。
     
    それは手術ではありません!
    嚢腫壁(袋)が残っていますからまた膨らみます。
     
    中途半端なことをされると癒着を生じ抜き法ができなくなります。
     
    今回の症例は2回の切開排膿歴があるので嚢腫壁が広がっている可能性が
    あります。
     
    エコー検査で確認します。やはり嚢腫壁が水平方向に不整に広がっています。

     
     
    エコー所見、触診から残った嚢腫壁をマーキングします。

     
     
    手術は取り残しがないよう大きく切除します。さすがにくりぬき法では取れません。

     
     
    手術直後です。残った瘢痕も切除すればよかったですね。
    少し反省しています。

     
     
    くりぬき法の手術時間は10分~15分です。
    メスで行う手術は40分くらい要します。負担がずいぶん違います。
     
    切開排膿歴がある粉瘤は瘢痕で覆われ、瘢痕中に毛細血管が増加しています。
    手術後に血腫が生じないようていねいに止血します。
     
    私は皮膚外科医ですので傷痕が残らないよう真皮縫合をしっかりと行います。
     
    術後1週間、抜糸前の写真です。
    手術翌日から石鹸で創部を洗ってもらいます。2日目からお風呂もOK。
    傷が気になる人は2ヶ月くらいピタシートを貼ってもらいます。

     
     
    病理組織検査です。粉瘤は完全に取れ切れています。大きな瘢痕組織、分かりますか?

     
     
    切開排膿は手術ではなく処置です。いずれ根治術が必要です。
    粉瘤の中身(内容物)だけ出すのは手術ではなくナンセンスな行為です。
     
    炎症後の粉瘤もプロの皮膚外科医がメスで切除すればまず大丈夫です。
    一番よいのは化膿する前に受診することですね。
     
     【注 意】
    粉瘤に発赤・腫脹などの炎症所見がある場合は手術の時期ではありません。
     なるべく早く地元の病院(皮膚科・形成外科・外科など)を受診してください。

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