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診療だより

粉瘤の記事一覧

  • たかが粉瘤、されど粉瘤 season 3

    2010-05-24 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    耳の粉瘤はちょっと苦手です。
     
    耳垂部の表裏に癒着していることが多く、くりぬき法よりメスで摘出したほうが無難です。
     
    手術はこんな感じです。メスで耳垂の縦方向に切開します(右耳の裏側です)。

     
    ルーペで確認しながら慎重に切除します。右第5指がポイントかも。

     
    指を上手く使うといいですね。取り残しは絶対だめ!!
    この指の使い方は眼瞼下垂手術にも生きてくるのですよ。

     
    取れました。割と大きかったです。

     
    病理組織検査で確認しましょう。

     
    きれいに取れましたね。 プロフェッショナルですから。
     
    でも耳の粉瘤はちょっと苦手かも・・・。
     
    【大切なお知らせ】
    諸般の事情により耳の粉瘤手術は現在当院でおこなっていません。
    お近くの総合病院皮膚科もしくは形成外科を受診してください。

  • 粉瘤 くりぬき法 season 4

    2010-05-05 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    研究会後の懇親会の場などで皮膚科の先生からくりぬき法についてよく質問されます。
    また、くりぬき法の治療のために東京、関西方面からも患者さんが来られます。
     
    交通費のほうが治療費より高くなってしまいます。もったいないです。
     
    ちょっとしたコツさえつかめばくりぬき法は簡単です。
    手順を再度供覧します。
     
    頚部の粉瘤です。真下を頚動脈が走行しています。

     
    エコーで血管との位置関係を確認します。エコーは必ずしも必要ではありません。

     
    4mmトレパンで真皮のみを切開します。ずぼっと切開しなければ下の動脈を損傷させることは絶対にありません。 内容物を可能な限り出し切ります。

     
    モスキートで嚢腫壁を保持して、曲がりの眼科剪刃で嚢腫壁の周囲をひたすら剥離します。

     
    剥離を続けると必ず壁が周囲の結合組織から剥がれてきます。あと一息です。

     
    嚢腫壁の底を確認して周囲の結合組織から切り離します。ここがポイントです。
    嚢腫壁を取り残したら再発してしまいます。
    下の写真で剪刃の上が嚢腫壁の底です。剪刃の下が結合組織です。
    嚢腫壁は白~灰~青色、結合組織は白色をおびた半透明色です。

     
    嚢腫(粉瘤)がきれいに摘出されました。

     
    粉瘤の手術治療でくりぬき法がベストというわけではありません。
    しかし、顔面、頚部ではこのやり方のほうが手術跡が目立ちません。
     
    自分が受けたいと思う治療を患者さんに提供する。私の治療理念です。
    相変わらず生意気でごめんなさい。
     
     
    【大切なお知らせ】
    化膿したことがある粉瘤はくりぬき法はできません。
    粉瘤の袋が周囲組織と癒着してしまうからです。メスでの切除しかできません。
     
    耳の粉瘤もくりぬき法は不適です。
     
    また、現在粉瘤が化膿して赤く腫れている状態なら、お近くの皮膚科で切開排膿処置を
    受けてください。その状態で当院を受診されても手術はできません。
    地元の皮膚科で切開してもらい、化膿が落ち着いた後紹介状を持参して来院してください。

  • たかが粉瘤、されど粉瘤 season 2

    2009-09-24 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    前回は粉瘤 くりぬき法 season 3 を献上しました。
    しかし、粉瘤の全てがくりぬき法の適応ではありません。
     
    今回はメスでの切除縫縮のについてお話します。
     
    下の写真は足底の外傷性表皮嚢腫(粉瘤)のエコー像です。黒くぼんやりと写っているのが腫瘍です。
    足底の外傷性表皮嚢腫はエコー像がわかりにくいことが多いです。

     

    外傷性表皮嚢腫は壁が厚く周囲組織と癒着していることなどよりくりぬき法ではなく、
    メスでの切除を first choice としています。

     
    私は皮膚外科のプロフェッショナルです。最小切開を心がけます。

     
    病理組織で腫瘍が完全摘出できているのがわかります。通常の粉瘤と比べて内容物の密度が高く、
    嚢腫壁に virus 感染を示唆する所見があるのが特徴です。

     
    次の症例は右耳垂の粉瘤です。かなり大きくなっています。
    耳垂部の粉瘤は耳垂の両側(皮膚の表と裏)に癒着がある症例が多いです。

     
    表側の皮膚を含めて切除します。なかなか大変な手術です。

     
    もちろん完全摘出します。私はプロフェッショナルですから。

     
    皮弁を起こして欠損部を修復します。

     
    抜糸前の写真です。皮弁の血流に問題はありません。
    外観上も耳垂部輪郭の変形はさほど目立ちません。

     
    一口に粉瘤と言っても奥が深いですよ。
     
     
    【大切なお知らせ】
    耳の粉瘤はくりぬき法が不適です。メスによる手術をお勧めします。

  • 粉瘤 くりぬき法 season 3

    2009-09-17 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    粉瘤のくりぬき法の問い合わせが増えています。
    最近では滋賀県から患者さまが来られ手術しました。
     
    はっきり言います。
    くりぬき法はそれほど難しくないです!!
    ちょっとしたコツをつかんで、症例を選べば大丈夫です。
     
    くりぬき法は私のオリジナル技法ではありません。
    東京慈恵医科大学附属病院皮膚科の上出良一先生が最初に報告されたと記憶しています。
     
    私のブログは結構、皮膚科の先生方にも読まれているようです。
    くりぬき法を施行した日は手術室が粉瘤臭でもわ~っとします。
     
    そこで臭い分けということで全国の皮膚科の先生がたにもくりぬき法を施行して頂きたいと切に思い、
    再度くりぬき法について書く次第であります。

     
    背部の粉瘤です。上方に発赤があるのが気になります。
    炎症で周囲と癒着があるとくりぬき法では完全に摘出できないことがあるのです。

     
    このような症例ではまずエコー検査です。周囲組織との関係をくまなく観察しますが癒着を示唆する
    ひきつれ像はありません。また粉瘤の局在は浅く真皮内に限局しているのが分かります。

     
    4mmトレパンで発赤部をくり抜きます。

     
    内容物を出します。なんとも言えない臭いがたちこめます。

     
    ある程度、内容物が出し切るとCyst(嚢腫壁)が飛び出てきます。

     
     
    Cystを周囲組織から丁寧に剥離します。ここが一番のポイントです。
    Cystの一部をモスキートで保持し、眼科剪刃で鈍的に剥離すると上手くいきます。
     
    この際に2倍のルーペを使うとCystの輪郭がよく分かります。私は必ずルーペを使用します。
    このちょっとした手間が手術成績を大きく左右します。

     
    ぺしゃんこになったCystがきれいに出てきます。左側のセッシでつまんでいる部分が周囲組織(真皮)と
    Cystの境界です。必ずCystの底を確認します。

     
    もちろん、完全摘出です。

     
    摘出後はCystの残存がないかをルーペで確認します。

     
     
    夏は化膿するから手術しないほうがよいと言われる大先生がいるそうです。
    全くナンセンスです。私は季節に関係なく一年中手術しています。
     
    開業してから感染した症例は一例もありません。医学は進歩します。
     
    ゲンタシン軟膏を患部に塗って手術終了です。お疲れさまでした。翌日から入浴可です。

     
    病理組織検査で確認します。しっかりと取れているのが分かります。

     
    他の症例です。粉瘤が小さいとくりぬき法で病変のみがすっぽりと取れます。
    これはくり抜き法の極みですね。

     
    すべての症例でくりぬき法ができる訳ではありません。
    化膿して切開排膿されたことがある粉瘤はメスで切除したほうが無難です。
     
    下の病理写真を見てください。切開排膿した後にメスで切除摘出しました。
    Cystの周囲組織が瘢痕化しています。Cystと周囲組織が癒着するためくりぬき法では完全に
    取りきるのが困難です。症例の選択は重要です。

     
    くりぬき法は決して難しくありません。皮膚科の先生、がんばりましょう!
     
     
    【大切なお知らせ】
    化膿したことがある粉瘤はくりぬき法はできません。
    粉瘤の袋が周囲組織と癒着してしまうからです。メスでの切除しかできません。
     
    耳の粉瘤もくりぬき法は不適です。
     
    また、現在粉瘤が化膿して赤く腫れている状態なら、お近くの皮膚科で切開排膿処置を
    受けてください。その状態で当院を受診されても手術はできません。
    地元の皮膚科で切開してもらい、化膿が落ち着いた後紹介状を持参して来院してください。

  • 粉瘤 くりぬき法 season 2

    2009-01-16 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    粉瘤の手術を受けに京都から患者さんが来られました。
    なぜか関東よりは関西方面からの患者さんが多いですね。
     
    左下顎にしこりがあり、商談などで相手の視線をしこりに感じるのがずっと気になっていたようです。

     
    この程度の大きさの粉瘤であればメスによる切除摘出より、くりぬき法による摘出のほうが傷は
    ずっときれいに治ります。
     
    下の写真が皮ふ科SSクリニックの粉瘤くり抜きセットです。
    注射の痛みを最小限に抑えるために29Gマイジェクターを使用しています(写真一番右)。

     
    これがくりぬき法に用いる4mmトレパンです。3mmでは粉瘤の壁が上手く摘出できません。
    4mmを使用するのがコツです。たった1mmの違いが大きいのです。

     
    4mmトレパンで粉瘤のヘソをくり抜きます。くり抜く角度も重要です。
    よい位置でくり抜けば、つまむだけで粉瘤の嚢腫壁が自分から飛び出してきます。

     
    完全に摘出できたかどうかは術中の所見で見当が付きます。
    嚢腫壁がきれいにポップアウトされています。これが本当のくりぬき法です。

     
    嚢腫壁の底をルーペを用いて摘出します。完全に摘出しないと再発します。

     
    摘出後の状態です。創は最終的にニキビ痕くらいの小さな傷となりほとんど目立ちません。

     
    基本的に手術検体は全例を病理組織検査に提出しています。
    病理標本でも嚢腫壁がしっかりと取れているのが確認できました。

     
    1週間後に再診してもらいました。肉芽が十分に盛り上がりとてもいい状態でした。
    わざわざ名古屋まで来た甲斐がありました、と何とも嬉しいお言葉を頂きました。
     
     
    別の患者さんです。右外眼角部のしこりがどんどん大きくなってきたとのこと。
    腫瘤の中央部に黒いヘソがあり粉瘤であることが分かります。

     
    この部位は顔面神経の側頭枝に気をつけなくてはなりません。
    嚢腫壁をぎりぎりで取る「くり抜き法」のほうが安全性が高いのです。

     
    手術して2週間後の状態です。肉芽が盛り上がり上皮化しています。
    1年もするとキズはほとんど分からなくなります。

     
    もし自分の顔に粉瘤ができたらメスで大きくがばっと取るのではなく、くりぬき法で取ってほしいな・・・。
    名古屋の柴田先生に手術して欲しいな・・・。  なんて(笑)。
     
    粉瘤のくりぬき法は慣れない医師が行うと再発することもあります。
    経験豊富な皮膚外科医の執刀を受けることをお勧めします。
     
     
    【大切なお知らせ】
    化膿したことがある粉瘤はくりぬき法はできません。
    粉瘤の袋が周囲組織と癒着してしまうからです。メスでの切除しかできません。
     
    耳の粉瘤もくりぬき法は不適です。
     
    また、現在粉瘤が化膿して赤く腫れている状態なら、お近くの皮膚科で切開排膿処置を
    受けてください。その状態で当院を受診されても手術はできません。
    元の皮膚科で切開してもらい、化膿が落ち着いた後紹介状を持参して来院してください。

  • たかが粉瘤、されど粉瘤。

    2008-11-30 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    このブログで過去にルーペによる粉瘤のくりぬき法を紹介しました。
     
    さて今回は下顎に生じた粉瘤についてです。
    名古屋大学病院の乳腺外科のドクターからの紹介です。
     
    左下顎にしこりが主訴です。表面がなだらかに隆起しており淡青色に透見できます。
    指で触ると境界はわりとはっきりとしています。臨床的に粉瘤(ふんりゅう)を疑いました。

     
    数年前に他のクリニックで皮膚生検を受けており周囲組織との癒着が疑われます。
    このような症例ではくりぬき法ではなくメスによる切除法が安全です。
     
    問題は切除デザインです。下顎の皮膚割線を利用して縦に切開するのが普通ですが術後の創が
    目立ちそうです。腫瘤からやや離れていますが下口唇の赤唇縁ラインを利用することにしました。

     
    顔面の手術に局所麻酔の針として29Gもしくは30Gの細い針を使用しています。
    これにより麻酔の痛みが最小限に抑えられます。
     
    腫瘤はなんと筋層内(口輪筋~下唇下制筋)に局在していました。
    皮膚外科医として数多くの粉瘤を摘出してきましたが筋層内の粉瘤は珍しいです。

     
    腫瘤(粉瘤)を筋層から丁寧に摘出、筋層をバイクリルと呼ばれる吸収糸で縫合します。

     
    皮膚縫合は創部が目立ちにくい白ナイロンをあえて使いました。臨床診断、皮膚切開のデザイン、
    腫瘍の完全摘出などトータルな技量が執刀医に要求されます。

     
    病理組織検査の結果は粉瘤でした。
    診察、手術、病理組織検査いずれも保険診療ですのでご安心ください。
     
    手術の1週間後に抜糸をしました。抜糸直後の写真ですが腫脹も少なくこの段階ですでに傷は
    ほとんどめだちません。

     
    粉瘤手術もなかなか奥深いものですね。
     
     
    【大切なお知らせ】
    以前からある粉瘤が化膿して赤く腫れたため、慌てて当院を受診するかたが多いです。
    その状態で当院を受診されても手術はできません。
    地元の皮膚科で切開排膿してもらい、化膿が落ち着いた後で紹介状を持参して来院してください。

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