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皮膚腫瘍の記事一覧
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皮膚腫瘍摘出術 -私の考え-
2009-03-20 UP! カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより
皮ふ科SSクリニックには皮膚腫瘍の手術を目的に多くの紹介患者さまが来院されます。
皮膚腫瘍摘出術において重要なことは
①皮膚腫瘍の完全摘出
②手術の傷を目立たないようにする(特に顔面)
この2点に留意します。特に①の完全摘出が最も大切と私は考えています。
摘出が完全でない場合、腫瘍は再発します。その際に創部は瘢痕となっているため初回手術にくらべて摘出がずっと困難になります。初回手術が最も大切なのです。
完全摘出できているかどうかは病理組織検査で確認することができます。
皮膚腫瘍は必ず病理組織検査を行う病院で受けてください!!皮膚腫瘍の摘出にメッチェン(手術用のハサミ)を使う先生もいますが私はメスを好んで使用します。メスで腫瘍を摘出する際に腫瘍の形態がメスを持つ指先に触感として伝わります。この感覚こそが腫瘍摘出の際に私が最も大切にしているものなのです。
メスはディスポーザブルのプラスティック製ものもありますが私は金属製のメスホルダーを使用しています。金属ホルダーの重さを利用して腫瘍を摘出します。
メスホルダーはFEATHER (日本製)、Swann-Morton (英国製)の2種類を使い分けます。Swann-Morton社製ホルダーのほうが重量があります。またそれぞれのメス刃の形も微妙に異なります。
写真上の金色のホルダーがSwann-Morton、下の銀色がFeather社 のメスホルダーです。
Swann-Morton社のメス刃(写真上)のほうが形がシャープです。
メスホルダーの重さを利用して組織を切ります。
繊細な操作はメスを立たせてメス刃の先端を使います。
実際の症例を4つ(粉瘤、外毛根鞘性嚢腫、脂肪腫、腱鞘巨細胞腫)提示します。
腰部の再発性粉瘤です。スキンフックで検体を引き上げメスで嚢腫壁を露出させます。
摘出した検体です。嚢腫壁がきれいに取れています。余分な組織はついていません。
頭頂部の外毛根鞘性嚢腫です。メスで切り開いていきます。
ひょうたんのようなめずらしい形ですね。きれいに取れています。
後頭部の脂肪腫です。脂肪腫は周囲の皮下脂肪と境界が分かりづらいことがあります。
このような症例こそメスが大切です。メスで脂肪腫と帽状腱膜をていねいに剥離します。
脂肪腫は完全に摘出されました。相変わらずいい仕事していますね(笑)。
手術直後の創です。時間が経過すれば傷はほとんど目立たなくなります。
腱鞘巨細胞腫の症例です。指にできやすい腱鞘(腱を被う薄い組織)由来の腫瘍です。
(この症例のみ私が名古屋大学医学部附属病院時代に執刀したものです)
腱鞘をメスで腱から除去しながら腫瘍を摘出します。このような操作はメスが最適です。
関節の拘縮を防ぐためS字に皮膚切開しています。再発しやすい腫瘍なので術後5年間
経過観察しました。もちろん再発なしです!! これが本当の皮膚腫瘍摘出術です。
写真は唐招提寺の千手観音立像の指です。やわらかく慈愛に満ちた指ですね。
こんな指になりたいと思いながらメスを握る日々です。
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脂肪腫、石灰化上皮腫の手術
2008-12-22 UP! カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより
私はメスを握る皮膚科医です。
皮ふ科SSクリニックには手術を目的として数多くの患者さまが紹介されてきます。
その中でも粉瘤(ふんりゅう)は横綱です。
粉瘤と間違いやすい皮膚腫瘍として脂肪腫、石灰化上皮腫があります。
今回はこの2つの疾患について述べてみたいと思います。脂肪腫は粉瘤よりやわらかく、石灰化上皮腫は碁石様に硬く触れることより鑑別できます。
触診が診断の基本です。皮膚外科医の指はまさにセンサーの役割をします。なぜ鑑別診断が必要なのか?それは手術法が異なるからです。
粉瘤はくりぬき法もしくは皮膚を含めて切除します。脂肪腫、石灰化上皮腫は皮膚切開のみで腫瘍を摘出します。実際の症例を供覧いたします。
右腰部の脂肪腫です。通常は腫瘍全体の大きさの半分以下の切開のみで摘出が可能です。皮膚を切開した後に揉みだして脂肪腫を取り出します。
2cm以下の傷です。真皮縫合もきっちりとされているので傷跡が目立ちません。
これなら患者さまも大満足ですね。
右眉毛内側の皮膚腫瘍です。粉瘤の疑いで紹介されましたが触診から石灰化上皮腫を疑いました。結婚前の若い女性です。傷を残すわけにはいきません。
眉毛の辺縁のラインを利用して皮膚切開します。白い腫瘍を丁寧に取り出しました。
術後1週間。抜糸直後の写真です。すこし発赤がありますが傷は目立ちません。
院長相変わらずいい手術してますね(笑)。
手術の傷跡を目立たなくするには最小切開、ランドマーク(眉毛、鼻、口唇など)を上手く利用することが大切です。
やはり皮膚腫瘍は手術に慣れた皮膚外科医が執刀するのが一番です。皮膚腫瘍はほぼ全例を病理組織検査に提出します。診察、手術、病理組織検査、抜糸など全て保険診療です。
皮ふ科SSクリニックにお気軽にお立ち寄り下さい。
ちなみにSSは皮膚外科手術 Skin Surgeryが由来です。こだわっています。
(写真はいずれも個人情報保護法に基づき患者さまの承諾を得ています)
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