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診療だより

診療だよりの記事一覧

  • 第10回 日本臨床ラジオ波手術研究会学術集会

    2012-10-21 UP!     カテゴリー:その他, 診療だより

    下を向いて神妙な顔をしています。判決を待つ被告人のようです。
    何かしでかしたのでしょうか・・・。

     
    そんなわけないでしょう(笑)。
     
    第10回日本臨床ラジオ波手術研究会学術集会に参加してきました。

     
    約30年前に白壁征夫先生(サフォクリニッ院長)がエルマン社のサージトロンをアメリカから
    持ち帰り日本でもサージトロンが普及しました。
     
    4.0MHzの高周波ラジオ波メスは、その周波数特性により低侵襲な手術が可能です。
     
    今回の10回記念学術集会は形成外科、産婦人科、整形外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、
    皮膚科とさまざまな科のエキスパートが集まり大いに盛り上がりました。
     
    これだけ複数の診療科が一同に集まって行われる学会は他にはないでしょう。
     
    辻 芳之先生(神戸アデベンチスト病院産婦人科)の卵管、卵巣機能に細心の注意を払った腹腔鏡手術、
    赤井文治准教授(近畿大学境病院脳神経外科)の神経内視鏡手術による脳室内の髄液内操作、
    矢部多加夫先生(都立広尾病院耳鼻咽喉科)の鼓膜切開など科を越えて勉強になること大でした。
     
     
    私は眼瞼下垂手術、筋層内の脂肪腫などを発表しました。

     
     
    脂肪腫の多くは皮下脂肪組織内ですが、時に筋層内に局在するものもあります。
    下の写真は広背筋を切開して脂肪腫を露出している所見です。

     
     
    サージトロンを使用することで筋層内脂肪腫の低侵襲手術が可能です。

     
    座長をして下さった日本医科大学武蔵小杉病院形成外科の村上正洋教授、有難うございます。
    村上教授は実家が当院の近くということで大いに盛り上がりました。
     
    研究会では素晴らしいドクターと知り合えるのも大きな魅力です。
     
    学術集会では各ドクターが意見を持ち寄りサージトロン電極の開発について話し合いました。
    臨床の現場から米国製造メーカーへ希望をフィードバックして商品化する、日本発世界へ!

     
    大変実りある学術集会でした。
     
    ところでDerma No.197 最新号が手元に届きました。

     
    本書の中で「サージトロンによる手術の基本と応用」を執筆しました。
    どうやら最近の私はサージトロン贔屓のようですね。
     
    多方面から講演、執筆依頼のお声をかけて頂き、私はどえらい幸せな皮膚科医です。

  • 脂肪腫 TWINS

    2012-10-18 UP!     カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより

    脂肪腫のブログは封印していましたが、患者さんから載せて欲しいと
    逆指名がありましたので筆を取りました。
     
    41歳の僧侶さん。右肩のしこりが主訴です。

     
     
    診察の実況中継
    私   「しかし、ずいぶんと育てましたね~」
    僧侶 「どんどん大きくなってきました。もう限界です。取って欲しいです。」
     
    私   「さすがにここまで大きくなると・・・。」
    僧侶 「何とかなりませんか?」
     
    私   「いや~、あんまり大きいのは大学病院とかで手術したほうがよくないですか?」
    僧侶 「ホームページでは大きな脂肪腫が取られていました。」
    私   「まあ、ホームページだと簡単そうに見えるんですよ。ウソは書いてないですけど。」
     
    僧侶 「ホームページを見てここのクリニックで取ってもらうと決めて来たんです。」
    私   「そんな、勝手に決めて来られても・・・。」
     
    僧侶 「・・・。」
     
    禅問答ならぬ、お互いの駆け引きが続きます(笑)。
     
     
    右肩の脂肪腫の皮膚エコー診断
    脂肪腫(白い固まり)の内部エコーは均一。臨床でも皮膚に凹凸はなく硬さも均一。
    以上の所見から脂肪肉腫は考えにくい。下床の三角筋との癒着も強くはない。

     
     
    とりあえず4cm 皮膚切開することにしました。ここから写真は横向きになります。

     
     
    指を上手く使い鈍的剥離で脂肪腫を出します。

     
     
    なんと脂肪腫が2つ。双子や!

     
     
    なんとか全摘しました。これだけの脂肪腫がこの切開線ならまずまずでしょうか。

     
     
    脂肪腫もこれだけ育つとそれをつつむ被膜も厚くなります。

     
     
    きっちりと全摘するのがプロの皮膚外科医です。

     
     
    皮下に血抜きのドレーンを留置。真皮縫合をきっちりと合わせてから皮膚縫合します。

     
     
    二つに大きく分かれた脂肪腫は珍しいです。 LIPOMA TWINS
     
    僧侶さんには随分と感謝されました。手術中は全てを忘れ無心で執刀します。
    まさに涅槃寂静の世界でございます。
     
     
    【追 記】 反省を込めて。
    病理組織標本を確認すると通常の脂肪腫よりも脂肪細胞の核がやや大きいのが気になりました。
    私が最も信用するA医科大学附属病院病理部 H先生に診断をお願いしました。
     
    脂肪腫(spindle cell lipoma)を疑うが脂肪肉腫(well diff. liposarcoma)を完全に否定でき
    ないとのことで免疫染色(CD34)を追加しました。CD34 にてspindle cell は強陽性であり
    脂肪腫(spindle cell/ pleomorphic lipoma)と診断。良性だが大きいので局所再発の可能性
    は完全には除外できないとのコメントでした。
     
    僧侶さんにはそのままを説明ました。
    一塊としてきれいに摘出しているので再発の可能性は少ないと考えますが最低1年間は通院する
    ように説明しました。完全に摘出した自信はあります。
     
    今回の症例から反省すべきことがあります。
    あまりにも大きな脂肪腫はやはり総合病院で造影MRI 検査を行い脂肪肉腫の鑑別をしてから執刀
    にあたるべきであり、個人クリニックでの手術は控えたほうがよいと痛感しました。

  • 第35回日本美容外科学会

    2012-10-13 UP!     カテゴリー:その他, 診療だより

    グランドプリンスホテル高輪(品川)で第35回日本美容外科学会総会が
    開催されました。
     
    形成外科医が中心となった美容外科学会(JSAPS)です。

     
    朝8時15分の教育講演から夕方6時までのイブニングセミナーまでがっつり
    聴講しました。あっという間に一日が過ぎました。
     
    特に聴きたかったのがシンポジウム1 「美容外科術後変形の二次修正」
     
    重瞼術後変形の修正術  鶴切 一美先生(つるきり形成・皮フ科)
    眼瞼下垂症術後変形の二次修  松尾 清教授(信州大学形成外科)
    外鼻形成術後変形の修正術  大竹 尚之(聖路加国際病院形成外科)
    などそうそうたる先生がたのシンポジウムです。
     
    どの演題もスライド写真が多く、それぞれの先生の術式選択の基準が分かり
    やすく、自分自身の術式を振り返るよい機会でした。
     
    鶴切先生は日本の重瞼術のパイオニアです。
    挙筋腱膜と睫毛側眼輪筋との密な縫合で修正を行っていました。
     
    切開式重瞼術は単純なようで、固定法にも多くのバリエーションがあります。
    眼輪筋と瞼板前組織を固定する、眼輪筋を瞼板に縫い付ける、はたまた
    睫毛側真皮と挙筋腱膜を縫合するなど。
     
    松尾教授は神経生理学にもとずく下垂修正のお話でした。
    内容のレベルがすさまじく高く理解するのにかなり苦労しました。
    上眼窩縁外側の骨きりには驚きました。
     
    個人的な経験ですが眼瞼下垂手術そのものは上手く行ったのにもかかわらず、
    皺眉筋付近の過緊張を訴える症例に遭遇したことがあります。
    フロアーで松尾教授に挨拶させて頂き、そのことを直接相談しました。
     
    瞼板前ミュラー筋の処置を行うことで予防できるそうです。
    瞼板前ミュラー筋とは?? 眼瞼下垂、奥深し、です。
     
     
    「脂肪移植における移植組織の最適化について」 吉村光太郎先生(東大形成外科)
    脂肪移植の理論がとても分かりやすかった。脂肪細胞と脂肪幹細胞の比率の問題。
    脂肪細胞は死に脂肪幹細胞が生きる、生着というよりは再生ですね。
     
     
    パネルディスカッション1-Ⅱ 「日本人に適した美容外科手術 隆鼻術」
     
    これも興味深く濃い内容でした。鼻を得意とする4人のドクターの講演でした。
    4人とも見事に意見が違う。I型のシリコンインプラントとL型シリコンの適応、
    シリコンインプラントと自家組織の選択などディスカッションが尽きませんでした。
     
    鼻尖部の細工については特に意見が大きく分かれていました。
    鼻形成に関してはまだまだ議論の余地が多く残されているのを実感しました。
     
     
    日本の重瞼術のパイオニア、鶴切一三先生。

     
     
    日本形成外科学会の大御所、鬼塚卓彌先生。

     
    実は鬼塚先生とはちょっとした思い出があるのです。
    私が岡山大学6年生の夏に昭和大学形成外科へ見学させてもらいました。
    当時教授であった鬼塚先生の口唇口蓋裂の手術を続けて2例見学できたのは貴重な体験です。
    鬼塚先生にその話をしたらなつかしいな~と微笑んでおられました。
     
     
    日本美容外科学会理事長の保阪義昭先生。山本塾長が保阪先生と大変仲がよく、
    いっしょにお写真を撮らせて頂きました。

     
    実は保阪先生とも楽しい思いで話があるのです。また次回のお楽しみに!
     
    日本美容外科学会に参加して自分の方向性がより鮮明になりました。
     
    11月から「皮ふ科SSクリニック」は「SSクリニック」に変わります。
    皮膚外科・美容外科により先鋭化していきます。

  • ほくろ治療 今さら思う

    2012-10-08 UP!     カテゴリー:ほくろ, エルビウムヤグレーザー, 診療だより

    エルビウムヤグレーザーを購入して2年以上が経ちました。
     
    炭酸ガスレーザーを使うことはほとんどなくなりました。
    血管拡張性肉芽腫、陥入爪で爪甲矯正術を行う時くらいでしょうか。
     
    ほくろ治療で大活躍のエルビウムヤグレーザー。

     
     
    炭酸ガスレーザーより10倍水分吸収が高いです。             

     
     
    エルビウムヤグレーザーで組織を削ると焦げません。
    水への吸収が10倍だとなぜ焦げない?
     
    北野幸恵先生とこの件についてお話させて頂いた事があります。
    この事を追求しているうちにランベルト・ベールの法則にたどり着いたそうです。
     
    ランベルト・ベールの法則とエルビウムヤグレーザーがどう関係あるのか?
    分からないまま時間が流れました。
     
    千歳台きたのクリニック(北野 幸恵院長 www.kitanohifukeisei.com )のブログ
    皮膚の歳時記にこのことについての説明がありました。
     
    目からうろこが落ちる思いで読みました。
    北野先生の快諾を得ましたのでかなり簡略化して書きます。
     
     
    ランベルト・ベールの法則

     
    法則は対数関数で示されるので割愛します(以前のブログを参照して下さい)。
     
    「吸収係数」と「一定量のエネルギーが減衰する距離」は反比例の関係にある。
     
    この法則から吸収が10倍よいと同じ量の光エネルギーが組織に吸収されるまでに
    進む距離は10分の1になります。
     
    エルビウムヤグレーザーはエネルギーが小さいボリュームに凝縮されるので、水分子が
    ごく短時間に蒸発し、蒸散します。だから焦げないのです。
     
    これに比べ炭酸ガスレーザーはエネルギーがより大きい組織に分散吸収されるので、
    温度上昇が非常に緩やかです。照射を重ねることで周囲組織がじりじりと熱くなり
    組織から水がなくなり、「焦げ」が始まるのです。
     
    下の写真のような患者さんがよく来院されます。左頬部の凹み、何か分かりますか?

     
    写真はほくろ治療後です(私が治療したわけではないですよ)。
    このようにベテランの美容外科の先生が治療しても陥凹が残ることもあります。
     
    ほくろを目立たなく治療することはあんがい難しいのです。
     
    私の経験では陥凹が残りやすいのはおでこです。
    上口部(鼻と唇の間)は治療後に盛り上がることがあるので注意が必要です。
     
    ほくろは広く、なだらかに面として少しずつ削っていくと傷跡が目立ちにくくなります。
    ほくろ治療でエルビウムヤグレーザーを好んで使用する理由はそのためです。
     
    ほくろは一太刀で削るのではなく繊細に少しずつ削り取っていく作業に似ています。
    彫刻に近いのかもしれません。
     
    このような素敵な建造物も少しずつこつこつと作っていくしかないのです。
    (写真はサクラダファミリア 2006.9.12 訪問 )

     
     
    開業した今でも学問的興味をずっと持ち続け診療に打ち込む北野先生。
    いやはや凄いお人だなと、今さらながら感じ入ります。
     
    写真中央が北野幸恵先生(大阪のメディカルU&A セミナーにて)。
    東京大学理科Ⅲ類卒業の才色兼備の素敵な先生です。

     
     
    今回のブログはかなり北野先生のブログを真似しました。私に独創性はあまりないので。
    北野先生、快諾して頂きありがとうございます。

  • シミの治療 

    2012-09-27 UP!     カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより

     最近の患者さんはずいぶんと美容の知識が豊富な人が多いです。
       
     Qスイッチルビーレーザーを希望して来院されるかたが増えています。
     賢明な選択です。

      左頬部の大きな老人性色素斑と脂漏性角化症を治療した患者さんが久しぶりに
     お見えになりました。

     73歳女性。ルビーレーザー治療から1年9ヶ月が経過。

     

     ちなみに治療前のシミ、イボです

     

     ハラショー(ロシア語ですばらしい) хороший これぞシミの治療です!

     お顔がすっきりとして明らかに5歳以上は若く見えますね。
     いい治療が提供できて私もすっきりです。

  • 手術用ルーペ

    2012-09-17 UP!     カテゴリー:眼瞼下垂, 診療だより

    眼瞼下垂症などミリ単位の手術をする時には医療用ルーペが便利です。
    間違いなく手術のクオリティーが上がります。
     
    今までも簡易なルーペを使っていましたが、メディカルU&A さんに新しい手術用
    ルーペを注文しました。
     
    ルーペで術野が2.5倍に拡大されます。メガネレンズも特別仕様。

     
     
    横から見るとadidas のロゴが見えます。何気にスポーティーなのです。

     
     
    毎日楽しく手術をしています。以前のルーペと比べるとより立体感を感じます。

     
     
    最近は眼瞼下垂手術が多いのでこのルーペを重宝しています。
     
    目を上げるための機能を目的とした眼瞼下垂手術、自然ですっきりとした重瞼ラインを形成する
    美も考慮した眼瞼下垂手術。ハイブリッドな眼瞼下垂手術を提供したいです。

当医院は『予約制』です。お問い合わせ・診療のご予約はこちら 受付可能時間=診療時間 TEL 052-332-7870

診療時間

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当医院は『予約制』です
AM 10:00 - PM 1:00
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○…通常診療
☆…手術/レーザー治療(フォトRFなど)/ヒアルロン酸/ボトックス治療など

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〒460-0012
名古屋市中区千代田3-14-14 パルティール鶴舞2F

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