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やっぱりルビーレーザー
2010-09-19 UP! カテゴリー:しみ(ルビーレーザー)
しつこいですけど、やっぱりルビーレーザーですよ。
たびたびこのブログで登場する60歳のミセス。
ひさしぶりにクリニックに来られました。
シミ治療前の写真です。
頬部にある2つの大きな老人性色素斑が目立ちます。
数年前にヤグレーザーを照射されシミがまだらになっています。
Qスイッチルビーレーザー照射の約10ヵ月後の写真です。
一点の曇りも無い状態がキープされています。
シミ治療にQスイッチルビーレーザーが最も有効なことは自明です。
患者さんもよく勉強されており、インターネットでルビーレーザーを検索され、
当院を受診されるかたもちらほらといらっしゃいます。
今回はケアについてお話します。
基本的にはレーザー照射から10日間は茶色のテープで患部を覆います。
洗顔、化粧ともこのテープの上からしてもらいます。
「えっ~、10日間もテープするんですか」、と驚かれる患者さんもいます。
テープ保護ができない人は治療をお断りしています。
不遜な言い方で申し訳ありませんが、私のポリシーなのであしからず。
テープ保護がお嫌いな方は「テープは要らないですよ」と言われるお優しい先生に
ヤグレーザーで適当にお茶を濁してもらってください。
そういう先生はたいてい長期のフォローアップをなさってくれません。
テープを剥がした後のケアについて。
ハイドロキノン軟膏を処方することもあります。その際は刺激が少ないものを処方します。
それでも炎症後色素沈着が出現した場合はどうするか?
放っておきましょう。3ヶ月くらいから薄くなります。
炎症後色素沈着が遷延する人がいるのも事実です。
炎症ですからいずれ消退します。
基本的にはテープを剥がした後は余計なことをあまりしない。
通常通りにお化粧をして必要以上に構わない。
これまでのレーザー治療で私が学んだことです。 -
【石灰化上皮腫】 診断が大切!
2010-09-12 UP! カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより
ときどき遠方から患者さんが来られます。
広島県から来られた26歳の女性です。
左眉毛にしこりがあります。前医で粉瘤と診断されたそうです。
腫瘤は硬く触れ、粉瘤ではなく石灰化上皮腫を疑います。
石灰化上皮腫はトレパンによるくりぬき法は不適です。
4mmの穴では腫瘍が取れきれない、またくり抜きの刺激で検体がぼろぼろになって
しまうからです。
正確な診断があってこそ正しい皮膚腫瘍の治療が可能なのです。
不遜な言い方ですが、粉瘤と石灰化上皮腫を鑑別できる皮膚科医は10人に1人でしょう。
だからこそ皮膚外科学会の存在価値があるのです。
エコー検査です。 腫瘤の表面でエコーが強く反射され後方が無エコーとなっています。
石灰化上皮腫で矛盾しない所見です。
傷跡が目立たなくなるよう眉毛の下縁に沿っての切開でアプローチします。
白色の腫瘤です。きれいに取れましたね。
病理組織は好塩期性の小型円形細胞と好酸性に染まるshadow cell から構成される
石灰化上皮腫の所見です。
広島県ですと福山市の岩崎皮フ科形成外科がお勧めです。
院長の岩崎泰政先生は皮膚外科学会の評議員もしておられます。
全国に皮膚外科の輪が広がるといいですね。 -
エルビウムヤグレーザー 稗粒腫を吹っ飛ばせ!
2010-09-09 UP! カテゴリー:エルビウムヤグレーザー, 診療だより
顔にできる白い丘疹。触るとプツプツしたあの嫌なやつです。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)とよばれる軟毛部の粉瘤です。
針で小さな切開を加えて内容物を出すだけでは再発します。
炭酸ガスレーザーで焼灼していましたが、今はエルビウムヤグレーザーで治療しています。
顔全体に生じた稗粒腫です(写真は左頬部です)。
エルビウムヤグレーザーをピンポイント設定にして皮膚を照射します。麻酔は不要です。
内容物が露出しました。
マイクロセッシで内容物を摘出します。
残った嚢腫壁を照射するのがポイントです。
全部取るとこんな感じになります。
傷が大きいところは老人性脂腺増多症を照射した部位です。
下の写真は汗管腫を炭酸ガスレーザーで焼灼した直後の写真です。
違いは明らかですね(麻酔による皮下出血のおまけまであります)。
どうしても炭酸ガスレーザーだと組織がこげてしまうのです。
実は1週間前に左下顎部の稗粒腫を治療しました。
まだ発赤が残りますがいい感じに上皮化しています。
凹みはありません。発赤は3ヶ月もすれば消えてなくなります。
稗粒腫で困っている患者さんは意外と多いようです。
現時点ではエルビウムヤグレーザーによる照射が最も良いようです。
さてさて、にっくき汗管腫はエルビウムヤグレーザーでどこまできれいになるか?
こらからもいい治療を追及していきたいですね。 -
炭酸ガスレーザー 【口粘膜粘液嚢腫】
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炭酸ガスレーザー 【血管拡張性肉芽腫】
2010-08-26 UP! カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより
エルビウムヤグレーザーが大活躍です。 ~ 毎日毎日、ホクロ、イボ、汗管腫などに照射しています。 大阪の師匠が言われたように、もう炭酸ガスレーザーには戻れません。 ~ But, 炭酸ガスレーザーにも出番はあるのです。 野球で言えばピンチヒッターのような役割です。 ~ 口唇、指など出血が予想される部位、血管腫などは炭酸ガスレーザーがよい適応です。 指の血管性病変を提示します。 ~ 指に生じた血管拡張性肉芽腫(GT)です。外傷を契機に生じることがあります。
~ 冷凍凝固療法を行い、やや縮小しました。
~ 妊娠の影響もあり増大してしまいました。 逃げませんよ、私は。 名古屋で一番の皮膚外科クリニックの看板を背負ってますから。
~ ナイロン糸による結紮療法を行いました。ちょっとしぼんできました。
~ ある程度まで小さくなるのですが、時々あたって出血して困るそうです。 茎部が小さくなったこの時点で炭酸ガスレーザー焼灼します。
~ 炭酸ガスレーザー焼灼1ヶ月後の写真ですがまずまずの結果です。 軽度の瘢痕が残ったのでドレニゾンテープを貼付しています。
~ 炭酸ガスレーザーもピンチヒッターとしての出番はあります。 ~ でもホクロ、イボはぜったいにエルビウムヤグレーザーですよ。
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たかが粉瘤、されど粉瘤 season 4
2010-08-11 UP! カテゴリー:粉瘤, 診療だより
東京、神奈川、静岡、愛知、岐阜、三重、福井、和歌山、京都、大阪。
遠路はるばるSSクリニックに粉瘤の手術を受けにこられた方々です。
名古屋でダントツの皮膚外科クリニックと自負しています。
みなさん、クリニックのブログを見て来られます。
くりぬき法を希望される方が多いです。
でもね、くりぬき法が適応でない方もいるのです。
今回はそれにまつわる話をしますね。
右胸のしこりです。
しこりの中央部にヘソがあり粉瘤であることは一目瞭然です。
触診で気になる感じがあったのでエコーで確認します。やっぱりね。壁の一部が不整です。
炎症を生じているようです。
このような症例ではくりぬき法ではなく、メスでの全摘術が無難です。
皮膚腫瘍の基本は完全摘出だからです。
メスで摘出しました。相変わらずきれいに摘出していますね。
病理組織検査の標本です。
壁の底面を拡大します。
粉瘤の嚢腫壁は重層扁平上皮ですが、一部が組織球、異物巨細胞に置換されています。
エコーはこの早期の変化を捉えたことになります(エコーとは左右が逆になっています)。
エコーいいですよ。
杉本先生(名古屋スポーツクリニック)、またディスカッションさせてください。
皮膚腫瘍とエコー診断。 いつの日か実践的な本を出版しますよ。
タイトル 【皮膚エコー診断の基本とその勘どころ】 SS出版、なんてね(笑)。
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