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診療だより

診療だよりの記事一覧

  • 皮膚外科学 秀潤社

    2010-02-26 UP!     カテゴリー:診療だより

    秀潤社さんから「皮膚外科学」が発刊されました。
     
    日本皮膚外科学会が監修しています。
    かなり厚いテキストです。カラーが多く、皮膚外科に興味のある若手の皮膚科医にもよく
    分かるように構成されています。

     
    どれも臨床に裏打ちされた実践的な内容ばかりです。
    大原國章先生の巨大母斑の内容は凄かったです。何十年と臨床一筋に頑張っておられる
    先生の治療姿勢を改めて感じました。
     
    皮膚外科学会前理事の熊野公子先生のお言葉を拝借します。
     
    皮膚外科とは‘皮膚科学の知識が基本になる疾患の手術治療学’と定義される。
     
    皮膚外科と形成外科の違いがこの一行に凝集されています。
     
    実はしんちゃん院長も「粉瘤」と「サージトロン」の2項目で執筆しているのです。

     
    サージトロンの項目も気合を入れて執筆しました。

     
    皮膚外科に興味がある皮膚科の先生は読んで下さいね。
    (ゆっきー先生もさっそく読みました)


  • マスターたちとの日々 その3

    2010-02-24 UP!     カテゴリー:診療だより

    2月24日の午前診はご迷惑をおかけしました。
     
    クリニックにいらっしゃった方も多かったようです。
    この場を借りて謝らせてください。
     
    眼瞼下垂症手術を教えて頂いた北澤先生のところへ行って来ました。
     
    順調に眼瞼下垂手術の症例数が伸びています。
    しかし、レベルアップするには自分だけの殻に閉じこもり自己満足に浸っていてはダメです。
     
    ご自分のホームページなどでスタッフから手術が上手いと言われる、と自己評価している先生もいらっしゃる、と聞いたことがあります。
     
    ナンセンスです。手術が上手い先生は世の中にごまんといます。
    また、本当にお上手な先生は自己賛美はしないものですよ。
     
    超一流の形成外科専門医の細かい手術を見れば、上には上がいることを嫌というほど思い知らされます。自称ナンバーワンではダメなのです。
     
    自分は上手いと思った瞬間に停滞と後退が始まります。
     
    話が脱線しました。
     
    半日でしたが、とても勉強になりました。
    眼瞼下垂手術の最大の合併症である、眼裂高の左右差。
    どう対処するか?
     
    縫合のやり直しのみではなく、挙筋腱膜への切り込み、眉毛側での眼窩隔膜の切開など。
    信州大学形成外科のスーパーテクニックをたくさん学びました。
     
    写真、左から2番目が北澤先生、左から3番目がしんちゃん院長です。
    (多くの先生方が北澤先生の卓越した手術技量に魅かれ、手術見学に来られています)

     
    これからも臨時休診することがたびたびあると思います。

    向上しないことには、皮ふ科SSクリニックの値打ちがない。そのように思っています。

  • 腱膜性眼瞼下垂症 ー術式の変遷ー

    2010-02-14 UP!     カテゴリー:眼瞼下垂, 診療だより

    2010年1月号の月刊誌「形成外科」の特集は眼瞼下垂症の治療戦略でした。
     

     
    高齢者の人口が増加する日本において、加齢による腱膜性眼瞼下垂症の
    注目度が高くなっています。
     
    オンラインショップのAmazonで興味深い本を購入しました。
    久保田先生(帝京大学眼科名誉教授)が書かれた眼瞼下垂の本です。

     
    眼瞼下垂手術の歴史などとても興味深く読ませていただきました。
    眼瞼挙筋前転術の経結膜法であるBlaskovics法から経皮法であるBerke法への変遷。
     
    4,000例を超える著者の手術経験は大変説得力があります。
    著者は経皮法による眼瞼挙筋前転術がより優れていると述べています。
     
    信州大学形成外科の先生から指導を受けた自分としては見解を異にする点もあります。
     
    久保田先生は瞼板側(下側)よりアプローチして、眼瞼挙筋を眼窩脂肪から剥離します。
    また原則として上眼瞼の皮膚は切除しないようです。
     
    私も片側のみの眼瞼下垂症、軽度の腱膜性眼瞼下垂症にはこの術式を選択することがあります。
    手術侵襲が低いからです(下の写真、鑷子で保持しているのが挙筋腱膜です)。

     
     
    ここからが今回のブログの本当の趣旨です。
     
    重症の腱膜性眼瞼下垂症では眼窩隔膜を切り開き、眼窩隔膜と挙筋腱膜を一体として前転させます。
    私はこの術式をご指導して頂きました。
     
    かなり重症の腱膜性眼瞼下垂症の症例を提示します。
    眼窩隔膜と一体に前転した右側の挙筋腱膜です。透けて見えるくらい薄くなっています。

     
    同じ患者さんの左側の挙筋腱膜です。

     
    腱膜性眼瞼下垂症がひどいケースでは、挙筋腱膜が上の写真のように薄く伸びきっています。
     
    これ程までに薄くなった挙筋腱膜をあえて眼窩隔膜から剥離するのは、挙筋腱膜そのものを
    損傷させるリスクがあると思いませんか?
     
    薄くなった挙筋腱膜だからこそ眼窩隔膜と一体化してより強い支持組織として瞼板に再固定する
    のが理にかなっている
    と、強く思います。
     
     
    使用する手術器具も大切です。
     
    挙筋腱膜を優しく扱うために、斜視鉤と鑷子はマイクロアドソンセッシを使用します。
    道具にもこだわってこそ、正しい腱膜性眼瞼下垂手術ができると思っています。

     
    眼科と形成外科とでは眼瞼下垂症手術へのアプローチが異なる点もあります。
    手術症例を重ねる中で、そのギャップを自分なりに埋めていきたいと思うこの頃です。
     
     
    参考文献
    形成外科 克誠堂 Vol.53  2010年1月号
    「眼瞼下垂 」 文光堂 久保田伸枝

  • このシミはどうする?

    2010-02-01 UP!     カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより

    60歳の女性です。シミの相談です。
    左頬部に大きな色素斑が2つあります。まだらな色調なのが気になります。

     
    3年前に某美容外科クリニックでレーザー治療を受けたそうです。
    いったんはきれいになったがすぐにシミが戻った、とのこと。
     
    そのクリニックのホームページを見るとQスイッチYAGレーザーを使用されています。
     
    いったんはきれいになった?
     
    と、すると炎症後色素沈着後が遷延しているのでしょうか?
    通常は半年以内で消退します。こんなに遷延することはありません。
     
    もしこの患者さんが他院で治療を受けた直後ならば、最低半年間は経過観察とします。
    しかし3年が経っているのです。
     
    色素斑がまだらな色調を呈していることから察すると、適切なレーザー照射をされていない可能性が大です。
    このまだらな照射はちょっとひどいですね。
     
    しみ治療ではIWP(直後の白色変化)を確認しながら、照射エネルギーを調整しながら照射することが大切です。
     
    迷わず、最強のQスイッチルビーレーザーを照射します。
     
    照射11日後です。痂皮がぺろりと取れました。

     
     
    とりあえず、外側の色素斑のみ照射しました。痂皮がとれた状態です。
    とてもきれいになっていますが、まだちょっぴり赤いですね。

     
     
    照射2ヶ月10日後です。
    炎症後色素沈着は出現していません。とてもいい状態です。

     
     
    照射3ヶ月後です。この時期に炎症後色素沈着が出現していなければもう大丈夫です。
    本当にきれいなりましたね。ちょっと本人もびっくりしたみたいですよ。

     
     
    なんだか、残った内側の色素斑が目立ってしまいますね。
    いずれこちらも治療しましょう。
     
    やはりルビーレーザーはヤグ(YAG)、アレキサンドライトとは切れ味が違うようです。

  • ADM (両側性遅発性太田母斑様色素斑)の正しい治療

    2010-01-24 UP!     カテゴリー:ADM(ルビーレーザー), 診療だより

    ADM ( acquired dermal melanocytosis )
     
    日本語では両側性遅発性太田母斑様色素斑、後天性真皮メラノサイトーシス
    などと呼ばれています。
     
    20歳ころから両頬、おでこ、目の下などに出現する褐色~灰色のシミです。
     
    シミというよりアザが正確な表現です。
     
    この疾患には反省すべき思い出があります。
    私が虎の門病院で皮膚外科の修行をしていた時(2010年)のことです。
     
    20代のきれいな女性が外来に初診で来られました。
    主訴は両頬部のうすい灰色の色素斑です(記憶が少し不明瞭です)。
     
    その頃の私はADMという疾患に対する知識がありませんでした。
    若くして出現した肝斑かな~と思い、ビタミンCを処方しようとしたところ、
     
    患者さんから
    「これは両側性遅発性太田母斑様色素斑と思うのでレーザー治療して欲しい」
    と言われました。
     
    そんな病気があるんかいな~と訝しがりながらも、患者さんに言われるがまま
    レーザー治療の予約を入れました。
     
    虎の門の外来カンファレンスにて、この患者さんのスライド写真を見て、
    大原國章先生はきっぱりと
    「両側性遅発性太田母斑様色素斑」
    と診断されました。
     
    私は患者さんから教えていただくという、全く不甲斐ない医師でした。
     
    それにしても皮膚外科で日本一の手術を行いながら、シミ、アザ治療にまで
    造詣の深い大原先生は本当に凄いお方だと、今さらながら感じ入ります。
     
    その頃から10年がたちます。
    そんな私も今ではADMも含めたアザ治療も精力的に行っています。
     
    患者さんからブログ写真の協力が得られましたので、合併症を含めて供覧します。
     
    62歳の女性です。
    両側の頬部に左右対称性に存在する小さな斑状の褐色斑です。
    色素斑の分布と融合傾向がないこと、さらには年齢から肝斑ではなくADMと診断しました。

     
     
    褐色斑はややグレーに見える部位もありますね。毛細血管の拡張も目立ちます。

     
     
    ADM以外にも頬部の外側には老人性色素斑も混在しているのが分かります。
    この年代の女性はいくつもの異なる病態の色素斑を併発しているもです。

     
     
    ダーモスコピー(10倍の拡大鏡)の写真です。
    いつも思うのです。ADMも太田母斑のように真皮メラノサイトーシスが疾患の本態です。
    それのなにどうして青色ではなく褐色のことが多いのでしょう?
     
    太田母斑にくらべると、増加した真皮のメラノサイトが浅いのでしょうか?
    いまだに答えが分かりません。誰か教えて下さい。

     
     
    下の図はメラニンが局在する深さによってどのような色調に見えるかを示したものです。
    メラニンが深くなるにつれて褐色→グレイ→青 に見えます。

    「An Atlas of Surface Microscopy of Pigmented Skin Lesion」より引用
     
     
    Qスイッチルビーレーザー照射、11日後です。照射部が脱色素斑となっています。

     
     
    照射1ヶ月後です。炎症後色素沈着を併発しています。
    薄くなったり、濃くなったりまったくせわしないですね。患者さんとの信頼関係が大切です。

     
     
    照射6ヵ月後です。
    合併症も治まり、かなりうすくなりました。


     
    反対側の写真です。現時点での患者さんの満足度は80% くらいかな。

     
     
    第250回 東海地方会(平成21年12月)でもADMの演題がありました。
    その内容を下にまとめました。
     
    ●ADM治療は脱色素斑、炎症後色素沈着を生じやすい。
    ●IWP(照射直後の白色変化)が生じる最小出力での照射が望ましい。
    ●治療間隔は6ヶ月はあけたほうがよい。
    ●治療の平均回数は3~4回である。
     
    1回の治療でここまで改善したらまずまずではないでしょうか。
     
    それにしてもThe Ruby Z-1は凄いやつです。
     
     
    参考文献
    Aesthtetic Dermatology  Vol.19. No 4 December 2009
    「対称性真皮メラノーシスの臨床と発症病態」村上喜美子、溝口昌子

  • Qスイッチルビーレーザー 【炎症後色素沈着後を超えて】

    2010-01-17 UP!     カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより

    頬部にできやすい10円玉大のシミはうっとうしいですね。
     
    老人性色素斑(日光黒子)と呼ばれるシミです。
     
    病理組織学的には表皮基底層にメラニンが増加しています。
    高齢者では表皮肥厚や真皮にもメラニンの滴落が見られることがあります。
     
    私は老人性色素斑にQスイッチルビーレーザー(JMEC社 The Ruby Z1)を用いて治療しています。
    老人性色素斑にはルビーレーザーが最も切れ味がよいと確信しています。

     
     
    レーザー照射すればその瞬間に魔法のようにシミがなくなる、と思って来院される方もいられます。
    今回はあえてその合併症である炎症後色素沈着後についてお話します。
     
     
    以前にもこのブログに登場してた61歳の男性です。

     
     
    レーザー照射11日後です。シミはきれいになくなっています。エクセレント!

     
     
    照射28日後です。また濃くなっています。患者さんはがっかりしています。

     
     
    この現象がレーザー治療の最大の合併症である炎症後色素沈着です。
    研究会の統計などではQスイッチレーザーによる色素病変治療の約40%に炎症後色素沈着が
    発生するとされています。
     
     
    照射約2ヶ月後です。また薄くなってきているのが分かりますか?

     
     
    照射約3ヶ月後です。かなり目立たなくなってきました。

     
     
    炎症後色素沈着は消退するのです(成書では顔で6ヶ月以内に消退すると記載されています)。
     しかし、できれば生じさせたくないですよね。
     
    日本美容皮膚科学会雑誌 2009年8月号に興味深い演題が載っています。
    東京女子医科大学付属青山女性医療研究所美容医療科の根岸 圭先生の演題です。
     
    Qスイッチレーザーを照射直後の白色変化(IWP)が生じる最小出力で照射した群とより強い出力で
    照射した群を比較しています。
     
    炎症後色素沈着の頻度は前者で8 %、後者で34 %と大きな差がでています。
     
    レーザー照射は出力を抑えて照射したほうが炎症後色素沈着が生じないのです。
    ただし白色変化(IWP)が出ないほど出力を抑えるとシミは薄くなりません。
     
    このさじ加減が大切なのです。私は毎日、このさじ加減と格闘しています。
     
    ちなみに写真の患者さんは最小出力の4J/cm2で照射しています。
    それでも炎症後色素沈着が出てしまう人はいるのです。
    フィッツ・パトリック(アメリカの皮膚科の大先生)のスキンタイプが関係しているのかもしれません。
     
    しみ治療はレーザーを照射するだけの単純な治療ではないのです。
     
    しみ治療に対してポリシーがあり、しっかりとアフターフォローするクリニックを選ばれるのがよいと思います。
     
     
    参考文献
    日本美容皮膚科学会雑誌 2009. Vol 19 No.3
    シミの治療  葛西健一郎 文光堂
    Qスイッチルビーレーザー治療入門  葛西健一郎 文光堂

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