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診療だより

しみ(ルビーレーザー)の記事一覧

  • ルビーレーザーについて しつこく再考

    2010-07-29 UP!     カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより

    シミ治療について私はこだわっています。
     
    葛西先生のように正しい理論を世に広めるのが心ある医師の
    責務なのでしょう。
     
    44歳の女性です。
    老人性色素斑(いわゆるシミ)と隆起した老人性疣贅です。

     
    中央部の隆起を炭酸ガスレーザー焼灼、周囲の色素斑を
    Q-ルビーレーザー照射するのがオーソドックスな治療です。
     
    この程度の隆起ならルビーレーザーのみでOKです。

     
    中央の隆起部分はノーマルモードで照射するのがコツです。
    この機種はQスイッチとノーマルの両方が選択できるのが素晴らしいところです。

     
    Qスイッチは照射時間が20 nsec、ノーマルは200 μsec です。(sec=秒)
     
    ノーマルはQスイッチの10,000倍の照射時間です。表皮への熱ダメージが強いので
    隆起性の病変を吹き飛ばすのに向いています。
     
    10日後には病変はぺろりと取れます。
    このタイプのシミは一回り大きく照射するのがコツです。

     
    施術49日後です。1ヶ月を超えると発赤が静まってきます。
    これなら本人も大満足ですね。

     
     
    36歳、アメリカ西海岸に在住の女性です。
    右頬部に濃淡のある色素斑があります。

     
    日本には年に1回だけ帰省するとのこと。 アメリカで治療しないのですかと聞いたところ、
    「先生、アメリカではシミの治療はまともにされていないですよ。向こうの人はシミを
    気にしないみたいです。化粧品もシミ隠しのよいものがなくて困っているくらいです。」

     
    アメリカ、ヨーロッパではシミ治療は盛んではないです。
    シワ、たるみに美容治療の主眼が置かれているようです。国民性の違いですね。
     
    ダーモスコピーで病変を覗いています。
    濃淡はありますが悪性黒子を示唆する所見はありません。

     
    濃淡のある老人性色素斑。薄い部分から照射するのがコツです。
    この部分で十分な白色変化(IWP)があればそのまま全体を照射します。

     
    照射が終了しました。きれいになりますよ。

     
    アメリカでインターネットで検索してSSクリニックを選んでくれたそうです。
    感激です。 8月中旬にはアメリカに戻られます。
     
    1回できっちりと治しますよ。 プロですから。
     
    シミ治療はアメリカよりも日本です。

  • それでもルビーレーザー 

    2010-07-08 UP!     カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより

    やっぱり大変ですわ~。
     
    ルビーレーザーは大変デリケートな機械です。
    定期的なメンテナンスが必要です。
     
    レーザーメーカーの技術員さんに来てもらい、ルビーレーザーを分解してメンテナンス
    してもらいます。まるっと2時間はかかります。

     
    光軸のズレがないか、出力低下がないかなど細部までチェックします。

     
    何かと大変なんですよ、ルビーは。
    でもいいレーザーなんですよ。ヤグなんかとはものが違う。
     
    高校野球と大リーグくらいの差かな。
     
    「ルビーレーザーを認知させるのに10年かかった」とは葛西先生のお言葉です。
     
    本当によいものでも偏った広告で正当に評価されないのが美容の世界です。
     
    シミにはQスイッチレーザーが有効ですが弱点はあります。
    扁平母斑、炎症後色素沈着と肝斑です。
     
    この3つの治療は難しいです。
    扁平母斑はレーザー照射しても高率に再発します。
     
    炎症後色素沈着はレーザーでいったんは薄くなりますがまた再燃します。
    色素脱出を生じることもあるのでレーザー照射はしないほうが無難です。
     
    肝斑はどうでしょう?
    トップハット型のQ-YAGの空中照射がよいとの広告をよく見かけます。
     
    エビデンスはありますか?
    トラネキサム酸内服の単独治療と比べて有意差はありますか?
     
    その治療で薄くなったとしてどれくらい効果がもつのですか?
     
    肝斑には肌を擦り過ぎないスキンケアとトラネキサム酸の内服が基本です。

     
    これを本当に超える治療があればどなたか教えて下さい。

  • Qスイッチレーザー 『不都合な真実』

    2010-05-27 UP!     カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより

    レーザー治療に関わり始めたのは虎の門病院皮膚科に国内留学したのがきっかけです。
    それから10年以上が経過しました。
     
    その頃の虎の門病院には赤アザ用のダイレーザー、シミ用のルビーレーザー、Qスイッチ
    アレキサンドライトレーザー、YAGレーザーがありました。
     
    このブログで何度も書いていますが、虎の門病院の大原国章先生の臨床能力はとてつも
    なく凄いです。手術以外にレーザー治療でも多くを学ばせてもらいまいした。
     
    レーザー治療の中で強く感じたことがありました。
    「太田母斑のようなアザ治療はアレキサンドライトレーザーも効果があるが、シミ(老人性色素斑)は
    アレキサンドライトレーザーよりもルビーレーザーのほうが効果が高い」。

     
    このことは虎の門から名古屋大学皮膚科に帰局した後もずっと頭にこびりついていました。
     
    大学にいる8年間、名東区の病院で週に一回、皮膚科の外来をしていました。
    その病院にはQーアレキサンドライトレーザーがありました。
     
    個人病院です。レーザー治療の対象はシミがほとんどです。
    シミ治療は自費診療ですから金額も数万円単位と高額になります。
     
    当然、患者さんはシミが跡形も無くきれいに取れると信じています。
    治療結果は? よい結果もあり、よくない結果もある。
     
    患者さんへ対応が大変でした。「必ずきれいにとれる保障はないですけどいいですね」と
    何回も説得して承諾書まで渡してレーザー治療していました。
     
    美容先進国アメリカではQ-YAGレーザー、アレキサンドライトレーザーはタトーレーザーとして
    位置づけられていると知り合いの美容外科医から聞きました。
     
    そうです。タトー(tattoo)刺青を治療するレーザーなのです。
    たしかにQ-YAG(532nm)は赤色の刺青(いれずみ)を消すには必須です。
     
    レーザーにはそれぞれの役割があるのです。
     
    問い合わせの多いADM(両側性遅発性太田母斑様色素斑)について再考。
     
    週に2人くらいの割合で外来初診で見かけます。想像以上に多いので驚いています。
    開業する以前の私は鑑別ができていなかったのでしょう。 やぶでした、以前は。
     
    なかにはエステに通って治療を受けている人がいます。
    エステではADMはいくらお金をかけても絶対に改善しません。私が保障します。
     
    Qスイッチレーザーしか効果がないのが医学的事実です。
     
    ではQスイッチレーザーの中でどれが最も有効か?
    葛西健一郎先生の名著「シミの治療」より抜粋します。
     
    ADMの効果について点数がかかれています。
    ルビー 95点、アレキサンドライト 70点、YAG 60点 となっています。
     
    波長はルビー 694nm、アレキサンドライト 755nm、YAG 1064nm です。
    メラニンに最も吸収がよいのはルビーの694nm、深くまで進むのは波長が長いYAGの1064nmです。
     
    ADMは太田母斑にくらべれば真皮に増生したメラノサイトは浅いところにあります。
    だからこそ太田母斑のように青くはなく、灰色~褐色を呈するのです。

    「An Atlas of Surface Microscopy of Pigmented Skin Lesions」  より引用
     
    私が言いたいこと。
    ADMの治療で大切なのは波長+レーザーの照射時間ではないでしょうか?
     
    Qスイッチレーザーの照射時間は、
    ルビーが20ns、アレキサンドライトが50-100ns、YAGが10nsです。
     
    葛西先生はルビーの波長694nm 照射時間 20nsが真皮メラノサイトを破壊するのにちょうどよいのでは
    ないかと推測しています。
     
    真皮浅層で増生したメラノサイトをいかにたたくか。これが治療の鍵でしょう。
     
    また話がずれます。
    ADM、太田母斑にアレキサンドライトレーザーはそこそこ効果があります。
     
    シミにはダントツでルビーが効きます。
     
    知り合いの多くの形成外科医が同意しています。
    日本では皮膚科医よりも形成外科の先生がレーザー治療を積極的に行う傾向があります。
     
    私の8年間のアレキサンドライトレーザーの治療経験、クリニックを開院してからの
    トライバンテージ(Q&マイクロセカンドのアレキサンドライトレーザーとQ-YAGレーザーの
    複合機)、メドライトC6(Q-YAGレーザー)の治療経験に裏打ちされた事実です。
     
    私は自分の目で見た結果しか信用しません。
     
    シミ治療の切れ味は機種ではなく、出力の問題に過ぎないと言われる先生もいるようです。
    複数のQスイッチレーザーでの治療経験が少ないように思われます。
     
    レーザー治療は理論が先行しますが、治療結果とギャップがあるのが普通です。
     
    フォトRF治療のSRからSRAハンドピースの開発、フラクセルレーザーの進化などは
    そのことを如実に物語っています。
     
    ADMにルビーとYAGのどちらがより有効か?
    私には断言するだけのYAGレーザーでのADM治療経験がありません。
     
    以前にもこのブログに登場した患者さんを再度提示します。
    頬部に小斑状の灰褐色斑があり、典型的なADMの皮疹です。

     
    ルビーレーザーを1回照射して1年間がたちました。
    治療は1回だけです。


     
    1回の治療でここまで改善したらまずまずではないでしょうか。
    ADMの治療にはQスイッチルビーレーザーが優れています。

  • Q スイッチルビーレーザー 【知る悲しみ】

    2010-05-13 UP!     カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより

    開高 健先生の言葉を引用します。
     
    「いい物を手にすると大きな悲しみも待っている。いわゆる知る悲しみだ」
    「いったん知ってしまえば知らなかったときには戻れない」

     
    さすが開高文豪、心に響く言葉です。
     
    しみ治療にあたり、ルビー、YAG、アレキサンドライトの3つのレーザーを試しました。
    始めはメンテナンス費の安いQ-YAGレーザーが購入候補でした。
     
    しかし、切れ味が違うのですよ、ルビーは。
     
    美容外科で照射された例のひと。

     
    レーザーは効かないと半信半疑。説得して一つ照射。

     
    信頼を勝ち得たところで、残りを照射。
    しみが痂皮となってぺろりと取れるこの瞬間が私は好きです。

     
    まだちょっと赤いです。遮光しっかりしてくださいね。

     
    お化粧が楽しくなったと。よかったです。もっとなじみますよ。

     
    Qスイッチルビーレーザーは大変デリケートな機械です。
    年に4回ほどメンテナンスを受けます。年間100万円近くのランニングコストがかかります。
     

    最初はQ-YAGレーザーを購入してお茶を濁そうと思いました。
    肝斑にはYAGの空中照射ですよ~、なんて商売っ気をだして稼ごうかとも思いました。
     
    でもルビーの切れ味を知ってしまうと・・・。
     
    知る悲しみです。
    この機械、金かかんな~、と悲しい時もあります。
     
    そんな時は文豪の言葉で慰められます。
    「知らない悲しみよりも知る悲しみのある人生のほうが高級だ」。

  • マスターたちとの日々 その4

    2010-03-05 UP!     カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより

    葛西形成外科さん(大阪)を訪れる機会に恵まれました。
    葛西健一郎先生は日本で有数のレーザーの大家です。
     
    葛西先生のことを知ったのは書籍「皮膚科診療プラクティス 17 Rejuvenationの実際」文光堂が
    きっかけです。この本は葛西先生がゲスト編集でした。

     
    その頃はまだ勤務医でしたが美容皮膚科とはなんぞや、との問いかけに惹かれたのを覚えています。
    続いて購入した「シミの治療」文光堂はさらに衝撃的でした。
     
    シミとはなんぞや? 正しい治療とは何か?
    葛西先生の長年にわたる経験に裏打ちされた理論に衝撃を受けたのを覚えています。
     
    クリニックを臨時休診して葛西形成外科さんに行ってきました。
     
    日常診療で疑問に思っていることはたくさんあります。
     
    ●Qスイッチレーザー後のテープは10日間がベストなのか?
    ●Qスイッチレーザー照射後の炎症後色素沈着、消退しないものもあるのか?
    ●Qスイッチレーザー照射後に残った老人性色素斑の再照射はいつが適切か?
    ●ADMの本当の最適照射モードは何なのか?
    ●Qスイッチレーザー、ルビーとYAGの使い分けはなにか?
    ●Qスイッチレーザー照射後のハイドロキノン軟膏の外用は本当に意味があるのか?
    などなど。
     
    全てに満足のいく答えを頂くことができました。
    2日間でしたが間違いなく私のレーザー治療は深まりました。
     
    左から山村先生、葛西先生、しんちゃん先生です。

     
    葛西先生の外来、治療を見させてもらいました。
     
    1歳児の顔半分に及ぶ先天性母斑のレーザー治療。
    すごかったですよ。この治療をやりぬく葛西先生の覚悟を肌で感じました。
    「オレにしかできないんだ」という熱いパッションがびんびん伝わってきました。
     
    こちらの心も揺さぶられましたね。
    この患者さんのためにQスイッチレーザーのハンドピースを特注であしらえる程です。
     
    常人にはできませんよ。本気の覚悟です。
     
    葛西先生はしみ・あざ治療で有名ですが、手術も素晴らしかったです。
    この日は腋臭症の手術を見学しましたが、片側でわずか20分でした。
     
    縫合のコツも興味深かったです。
    ある意味、葛西先生は天才的な先生です。ちょっと真似はできませんね。
     
    閑話休題。
    私がレーザー治療のバイブルとしている「しみの治療」にサインを頂きました。
    この本は最低でも20回は読まないとダメですよ。

     
    内容の関係上、ブログでは書けないこともたくさんあります。
    私が心に残った葛西先生語録を少しだけ書きますね。
     
    「相関関係と因果関係の混同」
    「real と illusion」
    「迷ったら強く照射する!」

    「赤みは2種類ある。紅斑症と毛細血管拡張症である。紅斑症には炎症が伴っている。」
     
    ●ハイドロキノン軟膏の外用で炎症後色素沈着が軽減したのではなく、外用に伴う遮光、患部の丁寧な手当てが
    炎症後色素沈着を軽減させている可能性がある。相関関係と因果関係を混同してはいけない。
     
    ●Qスイッチレーザー、炭酸ガスレーザー、脱毛レーザーはreal な治療である。結果が写真で分かるから。
    サーマクール、フラクセルレーザーはillusion(幻想的) な治療である。結果が写真に現われないから。
     
    ●炎症が原因の紅斑症(例えば酒さ)の治療は炎症を抑えること。
    フラッシュランプ治療は炎症がない器質的疾患にのみ有効である。
     
    これ以上書くと、レーザーメーカーからクレームがきそうなのでもう止めますね。
     
    この治療がどうして効いたのか、または効かなかったのか?
    臨床結果からフィードバックして理論を構築する。
     
    レーザーメーカーの言うことを鵜呑みにしているような先生はちょっと反省したほうがよいですね。
    当たり前ですがレーザーメーカーは一台でも多く売ることが最優先目的です。
     
     
    この症例覚えていますか?

     
    notoriousな某美容クリニックでレーザー照射を受けた患者さんです。
    以前にもこのブログに登場しました。
     
    今の私なら全て分かります。
    このしみは炎症後色素沈着ではなく、照射の誤りである!!

     
    このまだらな色調は照射パワーが不十分です。低すぎるのです。
    またまだらになっているところを見ると、照射にムラがありかなり雑です。
    ビームプロファイルが一定でなく、粗悪なレーザーで照射を受けている可能性があります。
     
    レーザー治療もすべては理論なのです。
     
    そのことを葛西先生から教えて頂きました。

  • このシミはどうする?

    2010-02-01 UP!     カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより

    60歳の女性です。シミの相談です。
    左頬部に大きな色素斑が2つあります。まだらな色調なのが気になります。

     
    3年前に某美容外科クリニックでレーザー治療を受けたそうです。
    いったんはきれいになったがすぐにシミが戻った、とのこと。
     
    そのクリニックのホームページを見るとQスイッチYAGレーザーを使用されています。
     
    いったんはきれいになった?
     
    と、すると炎症後色素沈着後が遷延しているのでしょうか?
    通常は半年以内で消退します。こんなに遷延することはありません。
     
    もしこの患者さんが他院で治療を受けた直後ならば、最低半年間は経過観察とします。
    しかし3年が経っているのです。
     
    色素斑がまだらな色調を呈していることから察すると、適切なレーザー照射をされていない可能性が大です。
    このまだらな照射はちょっとひどいですね。
     
    しみ治療ではIWP(直後の白色変化)を確認しながら、照射エネルギーを調整しながら照射することが大切です。
     
    迷わず、最強のQスイッチルビーレーザーを照射します。
     
    照射11日後です。痂皮がぺろりと取れました。

     
     
    とりあえず、外側の色素斑のみ照射しました。痂皮がとれた状態です。
    とてもきれいになっていますが、まだちょっぴり赤いですね。

     
     
    照射2ヶ月10日後です。
    炎症後色素沈着は出現していません。とてもいい状態です。

     
     
    照射3ヶ月後です。この時期に炎症後色素沈着が出現していなければもう大丈夫です。
    本当にきれいなりましたね。ちょっと本人もびっくりしたみたいですよ。

     
     
    なんだか、残った内側の色素斑が目立ってしまいますね。
    いずれこちらも治療しましょう。
     
    やはりルビーレーザーはヤグ(YAG)、アレキサンドライトとは切れ味が違うようです。

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