診療だより
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しみ(ルビーレーザー)の記事一覧
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Qスイッチルビーレーザー 【炎症後色素沈着後を超えて】
2010-01-17 UP! カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより
頬部にできやすい10円玉大のシミはうっとうしいですね。
老人性色素斑(日光黒子)と呼ばれるシミです。
病理組織学的には表皮基底層にメラニンが増加しています。
高齢者では表皮肥厚や真皮にもメラニンの滴落が見られることがあります。
私は老人性色素斑にQスイッチルビーレーザー(JMEC社 The Ruby Z1)を用いて治療しています。
老人性色素斑にはルビーレーザーが最も切れ味がよいと確信しています。
レーザー照射すればその瞬間に魔法のようにシミがなくなる、と思って来院される方もいられます。
今回はあえてその合併症である炎症後色素沈着後についてお話します。
以前にもこのブログに登場してた61歳の男性です。
レーザー照射11日後です。シミはきれいになくなっています。エクセレント!
照射28日後です。また濃くなっています。患者さんはがっかりしています。
この現象がレーザー治療の最大の合併症である炎症後色素沈着です。
研究会の統計などではQスイッチレーザーによる色素病変治療の約40%に炎症後色素沈着が
発生するとされています。
照射約2ヶ月後です。また薄くなってきているのが分かりますか?
照射約3ヶ月後です。かなり目立たなくなってきました。
炎症後色素沈着は消退するのです(成書では顔で6ヶ月以内に消退すると記載されています)。
しかし、できれば生じさせたくないですよね。
日本美容皮膚科学会雑誌 2009年8月号に興味深い演題が載っています。
東京女子医科大学付属青山女性医療研究所美容医療科の根岸 圭先生の演題です。
Qスイッチレーザーを照射直後の白色変化(IWP)が生じる最小出力で照射した群とより強い出力で
照射した群を比較しています。
炎症後色素沈着の頻度は前者で8 %、後者で34 %と大きな差がでています。
レーザー照射は出力を抑えて照射したほうが炎症後色素沈着が生じないのです。
ただし白色変化(IWP)が出ないほど出力を抑えるとシミは薄くなりません。
このさじ加減が大切なのです。私は毎日、このさじ加減と格闘しています。
ちなみに写真の患者さんは最小出力の4J/cm2で照射しています。
それでも炎症後色素沈着が出てしまう人はいるのです。
フィッツ・パトリック(アメリカの皮膚科の大先生)のスキンタイプが関係しているのかもしれません。
しみ治療はレーザーを照射するだけの単純な治療ではないのです。
しみ治療に対してポリシーがあり、しっかりとアフターフォローするクリニックを選ばれるのがよいと思います。
参考文献
日本美容皮膚科学会雑誌 2009. Vol 19 No.3
シミの治療 葛西健一郎 文光堂
Qスイッチルビーレーザー治療入門 葛西健一郎 文光堂 -
Qスイッチルビーレーザー 【実際の施術】
2009-05-27 UP! カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより
今回はQスイッチルビーレーザーの実際の施術についてです。
前回のブログでも書いたように老人性色素斑(しみ)に最も有効な治療はQスイッチルビーレーザー治療です。アメリカでは大企業のCEOたちはこぞって肌の若返り治療を受けています。美容大国アメリカでは若く見えることがステータスでもあるのです。
皮ふ科SSクリニックでも男性でしみ治療を希望されるかたが増えています。
61歳の男性のかたです。以前より右頬部のしみが気になっていたとのことです。
しみは中央部がやや厚くなっています。老人性色素斑の一部が脂漏性角化症に進行した臨床像です。このタイプのしみはフォトフェイシャルでは治りません。
THE RUBY Z1(Qスイッチルビーレーザー)の出番です!
しみは濃いので最低出力の4Jで照射しました。これでも十分IWP(Immediate Whitening Phenomenon)と呼ばれる白くなる現象が出現します。
照射後は軟膏を外用して医療用テープを貼ります。原則として10日間テープはつけたままです。施術後のPIH(炎症後色素沈着)を予防するためです。
今回は照射5日後に来院してもらいテープを交換しました。照射部が痂皮(かさぶた)なっているのが分かりますか? この段階では痂皮は絶対に剥がしてはいけません!!
さあ、いよいよ10日目が来ました。テープを取るこの瞬間がとても楽しみです。
しみが痂皮となりテープといっしょに剥ぎ取られていきます。
しみは見事に取れました!エクセレント!!
この時期はやや発赤がありますが時間とともに落ち着いていきます。
このようにレーザー治療は適正な照射モード、照射後のケアが揃って完結するのです。
レーザー治療は痛くないですかとの質問をよく受けます。輪ゴムで肌を軽くはじく感じですね。私は患部をアイスキューブ(氷)で冷却してからレーザー照射しています。これにより施術の痛みは最小限に抑えられます。葛西健一郎先生のアイデアです。
皮ふ科SSクリニックの冷凍庫には常時アイスキューブがたくさん用意してあります。
スタッフが一生懸命作ってくれるのです。
皮ふ科SSクリニックはしみ治療に本気で取り組んでいます。
しみでお困りの方はお気軽に皮ふ科SSクリニックにお電話ください。
最後まで責任を持ってフォローさせて頂きます。 -
【しみの治療】 Qスイッチルビーレーザー
2009-05-21 UP! カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより
私がこだわっている治療の一つがしみ治療です。
しみと言ってもたくさんの種類があります。
老人性色素斑(日光黒子)、雀卵斑、肝斑、太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)、外傷性刺青、炎症後色素沈着などなど。この中でも治療頻度の高い疾患は老人性色素斑です。
このしみ(老人性色素斑)治療のゴールデンスタンダードはQスイッチレーザーです。ちょいと小難しい話をします。
Qスイッチとはレーザー共振器に特殊なシャッターを取り付けることにより光エネルギーを
十分に蓄積して、瞬間的にパルス幅の狭い大出力のレーザー光を照射するものです。
この方法により通常はms(ミリセカンド:10-3秒)程度のパルス幅を、数十ns(ナノセカンド:10-9)まで短縮することができます。
パルス幅の短い大出力のレーザーを照射することにより周辺正常組織へのダメージが少なく、変性や瘢痕を形成せずにしみのみを有効に治療できるのです。医療用Qスイッチレーザーとしては、Qスイッチルビーレーザー(QSRL)のほかに、Qスイッチアレキサンドライトレーザー(QSAL)、QスイッチNd:YAGレーザー(QSYL)があります。
波長の長さはQSYL(1064)>QSAL(755)>QSRL(694)>QSYL(532)の順です。
ルビーの694nmという波長がメラニンの吸収率が最も高いです。
照射時間はQSYL(10ns)<QSRL(20ns)<QSAL(50~100ns)の順に短いです。しみ治療において日本で最も有名な葛西健一郎先生(葛西形成外科 院長)は真皮メラノサイトや刺青粒子を破壊するにはQSRLの20nsくらいが「ちょうどよい」のではないかと述べられています。波長だけではなく照射時間も重要なファクターなのです。
その他の重要なポイントとして「実用フルエンスにおけるスポットサイズ」を指摘しています。
スポットサイズはある程度大きいほうがよいのです。
第59回日本皮膚科学会中部支部学術学会にて葛西先生と(右端の大きな先生です)。
しみ治療に関して葛西先生から実に多くのことを学ばせてもらいました。
前置きが長すぎました。
私はQスイッチルビーレーザー(JMEC社 The Ruby Z1)を購入しました。
波長694nm、パルス幅20ns、スポットサイズ6mmとすべてがしみ治療に理想的です。
ルビー、アレキサンドライト、YAGといくつも使用した経験を踏まえての最終判断です。
スタッフもルビーレーザーの切れ味のよさに興奮しています(笑)
ルビーレーザーは他のQスイッチレーザーよりデリケートな機器でありメンテナンス費用などもかさみます。美容外科の先生がたの多くはQスイッチYAGレーザーを使用しています。
私は真面目な皮膚科医です。コストが高くなってもしっかりと結果を出す治療を提供したい。
The Ruby Z1は厚労省の薬事承認が取れています。いわゆる‘しみ’は自費診療になりますが、太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性刺青などは保険診療が可能です。
しみ治療、そろそろ本気で考えませんか?
参考文献
しみの治療 葛西健一郎 文光堂
Qスイッチルビーレーザー治療入門 葛西健一郎 文光堂
Visual Dermatology 【しみはどこまできれいになるか?その理論と実際 治療法編】
2005年8月号 秀潤社
皮膚科診療プラクティス 17 Rejuvenationの実際 文光堂
若返り美容医療の実際 永井書店 編集 窪田潤一郎 永井書店
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