美容医療コラム
~PRP・汗管腫・HIFU・眼瞼下垂 皮膚外科で強いドクターが監修~

  1. 技術を持った専門医が行う
    汗管腫(かんかんしゅ)の診断と治療について
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技術を持った専門医が行う
汗管腫(かんかんしゅ)の診断と治療について
技術を持った専門医が行う<br>汗管腫(かんかんしゅ)の診断と治療について

汗管腫

2019.10.31

汗管腫とは、目の周りに好発する良性の腫瘍です。エクリン汗腺と呼ばれる汗腺が、何らかの理由で限局的に増殖してしまい、皮膚の表面が1~3ミリの大きさに盛り上がります。肌内部で発生しているため、化粧品などのスキンケアなどで解消することはなく、病院での治療が必要となります。
この汗管腫とよく似た症状が出る他の病気には、エクリン汗嚢腫(のうしゅ)、稗粒腫(はいりゅうしゅ)、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)などがあります。汗管腫と他の病気との見極めは難しく、誤ってイボと診断されたり、間違った治療を施されるというケースも見受けられます。また放置していても健康には影響がないため、治療を行わなくてもよいと医師に告げられる場合もあります。
美容的な観点から治療を望まれる方は、知識を持った専門の美容皮膚科医に相談することをおすすめします。このコラムでは、専門医が行っている汗管腫の診断と具体的な治療について詳しく解説します。

  1. 汗管腫とは
  2. 汗管腫の診断方法
  3. 汗管腫の治療-1(炭酸ガスレーザー、エルビウムYAGレーザー)
  4. 汗管腫の治療-2(電気通電針治療)
  5. ドクターコメント

汗管腫とは

肌内部にはエクリン汗腺と呼ばれる汗腺があります。エクリン汗腺は全身に分布しており、透明でニオイがない汗を分泌します。このエクリン汗管が何らかの理由で限局的に増殖し、皮膚表面がわずかに盛り上がる症状が汗管腫です。
下眼瞼あるいは体幹に多発し、思春期以降に著明となります。また症状が出るのは女性に多く、目の下にブツブツとできた汗管腫は目立ってしまい、治療を希望される方が多くいらっしゃいます。

汗管腫の診断方法


汗管腫の見極めは難しく、皮膚科専門医でも間違った診断をすることがあります。正しく診断するために、皮膚の一部を採取して顕微鏡で観察する、生体検査(病理検査)を行うことがあります。
生体検査では正確な診断が可能になるほか、病理標本をみながら個々の汗管腫のタイプ(肌の深いところにできているのか、浅いところにできているのかなど)がわかるために、より正確な治療が行えるというメリットもあります。
あらかじめ麻酔をかけて、トレパンと呼ばれる筒状の医療機器を患部に刺し、組織を採取し、検査に出します。トレパンは直径2mmのものを使用するため、傷が小さくてすみます。診断には1週間程度の時間がかかります。
汗管腫と診断されると、治療に移ります。治療は炭酸ガスレーザー、エルビウムYAGレーザーで患部を削るものが一般的ですが、高周波で汗管腫の腫瘍細胞を破壊するという方法もあります。
次に詳しく解説します。

汗管腫の治療-1(炭酸ガスレーザー、エルビウムYAGレーザー)


これまでの汗管腫の治療には、炭酸ガスレーザーが使用されてきました。これは、患部をレーザーで蒸散させる手法ですが、周囲の組織が焦げやすいために深さの目安がつきづらく、正常な組織にもダメージを与えてしまうことから、赤みが術後に長く続くといったデメリットがありました。
そこで当クリニックでは、水分吸収率が炭酸ガスレーザーの10倍高い「エルビウムYAGレーザー」を採用しています。レーザー照射した部位は、蒸散して焦げないため、病変部が目視で確認できます。そのため深さのコントロールがしやすく、ダメージが少ないため、ダウンタイムも短くなります。さらに術後の肌が凹みにくくなるといったメリットもあります。
盛り上がっている部位だけでなく、水平方向にひとまわり広くレーザー照射することで、再発の予防も行えます。

汗管腫の治療-2(針電気凝固法)

針電気凝固法は、先端のみに高周波が流れる髪の毛ほどの細い針を、患部に差し込んで、高周波で破壊するという治療です。汗管腫の病変部位のみを治療することができるため、ダウンタイムが少ないのが最大のメリットです。
エルビウムYAGレーザーは治療後に皮膚が凹むことがあるため、跡が残らないように1週間ほどテープを貼って閉鎖療法を行う必要がありますが、針電気凝固法では術後に1~2日腫れる程度で、保護テープは不要です。腫れはメイクで隠すことも可能です。

エルビウムYAGレーザーと針電気凝固法は、ダウンタイムには差がありますが、どちらも仕上がりには大きな差はありません。
数が少なく大きな汗管腫はエルビウムYAGレーザーが適しており、汗管腫の数がたくさんある方や治療直後のダウンタイムを気にされる方は、針電気凝固法が適応になります。
また、腕や身体の汗管腫はエルビウムYAGレーザーで焼くと白い点になる場合があるため、身体の治療は針電気凝固法が向いていると言えます。

ドクターコメント

Doctor comment
ドクターコメント

汗管腫の治療は病気を治すというよりも、見た目をキレイにするという側面が大きく、技術をもった美容皮膚科医の治療を受けることが、ご希望を叶える近道だと言えるでしょう。
汗管腫の治療は基本1回で、術後目立たなくなった人はそこで終了です。治療後に大きさが小さくなったけれども、もう少しキレイにしたいなという方は6ヵ月後に再治療します。
汗管腫はきれいに取り除いても再発する傾向にありますので、治療のたびに肌にダメージを残すのではなく、肌に負担をかけずに、見た目を美しくコントロールすることが大切です。

この記事の監修

SSクリニック 柴田真一 院長

プロフィール
経歴
平成6年 岡山大学医学部卒業
社会保険中京病院(臼田俊和 部長)
虎の門病院(大原國章 部長)に勤務
平成12年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科 助手
平成16年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科 講師
平成20年 皮ふ科SSクリニック(現在 SSクリニック)開院
所属学会・資格
日本皮膚科学会
日本美容皮膚科学会
日本皮膚外科学会
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本皮膚外科学会評議員
日本アンチエイジング外科美容再生研究会 認定医
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