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- 眼瞼下垂の手術はどうだった?患者さまのリアルな体験談
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眼瞼下垂
2020.05.07
まぶたの下垂によって目が開きづらくなることで、視野が狭くなったり、顔の見た目にも影響を与えてしまう眼瞼下垂。
当クリニックでも、加齢によって下垂されている方から、先天的な組織の発達によってまぶたが開きにくい方、左右のまぶたの落ち方が異なる方など、さまざまな患者さまが来院されています。
眼瞼下垂の治療を行ううちに、患者さまがどのような手術を受けたのかを知ることは、眼瞼下垂の手術をいま検討されている方に役立つのではないかと考えました。
そこで今回のコラムは、当クリニックで実際に手術を行った方の体験談をご紹介します。術前のお悩みや、どのように手術して治療したのか、また術後の変化を、症例写真を交えてお伝えします。
眼瞼下垂とその治療法
眼瞼下垂とは、挙筋腱膜の弱まりなどが理由で上まぶたが眼球にかぶさり、目が開けにくくなる病気です。
下垂する原因の多くは加齢によるもので、まぶたを持ち上げる働きを担う挙筋腱膜がゆるんだり、瞼板と呼ばれるまぶたの先端にある組織からはずれたりすることで起こります。
若い頃はぱっちりと開いていた目が、年を取るにつれて半目のようになり、症状が進行すると力を込めて見開かないと目が開きづらくなるという方もいらっしゃいます。また、ハードコンタクトレンズを長期使用している人、アトピー性皮膚炎などで目をこする人など、まぶたに長期間刺激を与えていると、挙筋腱膜がゆるんでしまい、眼瞼下垂を引き起こすこともあります。これらは後天性の眼瞼下垂になります。
一方、先天的な原因としては、生まれつきまぶたを持ち上げる筋力が弱い、逆に靭帯が発達しすぎて上まぶたが開きにくい構造になっている、というものがあります。後者に代表される一重まぶたや奥二重の方は、生まれつき眼瞼下垂の素因をもっていると言えるでしょう。
眼瞼下垂の治療には、まぶたを表から切開してゆるんだ挙筋腱膜を糸で瞼板に固定する「切る手術」と、まぶたの裏側を切開してミュラー筋もしくは挙筋腱膜を糸で短縮する「切らない手術」があります。
当院では、皮膚のたるみも取れる「切る手術」をメインに行っています。
眼瞼下垂手術の体験談
Case1 老化による眼瞼下垂(女性・56歳)
■ 来院の動機
3~4年前より、左のまぶたが下がってきました。
友人にも「左眼どうしたの?」と左右の目の違いを指摘されるようになって、受診しました。
目だけでなく、左のおでこが右に比べて重く感じられ、肩こりもありました。
■ 医師の診断と手術について
ある程度症状が進んだ眼瞼下垂症です。
両眼とも眼瞼下垂症がありますが、左が特に強いです。
このような症例では左眼だけ手術することもありますが、Hering現象(患側を手術すると健側が下がる)を生じることがあるため、両眼を手術しました。
下垂症状が強い左眼が、右よりも目を開けづらくしている靭帯(下横走靭帯)が発達していたため、手術で切り離しています。
■ 手術前と手術後の写真
(手術後2週間の状態)
施術名:眼瞼下垂手術
施術時間:約2時間
施術金額:385,000円
施術のリスク・副作用:腫脹、疼痛、皮下出血、腫脹による一時的な視野の狭まり
■ 術後の感想
手術をうけたあとは、肩こりや頭痛、眼精疲労が嘘のようになくなって、寝つきもよくなりました。目を開けるのに眉毛や額に力をいれていましたが、もう不要です。
可愛い目になったと主人に言われました。おかげさまで、とても快適に過ごしています。
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Case2 まぶたへの刺激(アトピー性皮膚炎)と一重が原因の眼瞼下垂(女性・23歳)
■ 来院の動機
10代の時に比べると、目が小さくなった気がして、ずっとアイプチを使用していたのですが、まぶたがかぶれて困っていました。
そのうち、頭痛や肩こり、目の奥の痛みも出てきて、とても辛いのです。
インターネットで眼瞼下垂症を知り、「私もこれかも?」と思い、症例の写真から自然な仕上がりに見えたSSクリニックさんに相談しました。
■ 医師の診断と手術について
アトピー性皮膚炎などで、まぶたを頻繁にこする人は、早期から眼瞼下垂の症状が出ることがあるので要注意です。
また一重まぶたの方は潜在的な眼瞼下垂があると、私は考えています。患者さまは20代で、若年者の眼瞼下垂症になります。
手術は信州大学方式を応用した手技を応用しました。皮膚を切除した後に、目を開きづらくする下横走靭帯を切断し、眼窩脂肪を減量するといった内部処理をていねいに行いました。
自由診療では、こうした処置もしっかりと行えるため、仕上がりに差がつきます。
■ 手術前と手術後の写真
(手術後2ヵ月の状態)
施術名:眼瞼下垂手術(腱膜性眼瞼下垂症による)
施術時間:約90分
施術金額:385,000円
施術のリスク・副作用:腫脹、疼痛、皮下出血、腫脹による一時的な視野の狭まり
■ 術後の感想
手術を受けましたが、目が大きく開けやすくなって、肩こりもなくなりました! さらに寝つきもよくなりました。
営業の仕事をしていますが、人から「あか抜けたねぇ!」と言われちょっぴり気分がいいです。
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Case3 重症の腱膜性眼瞼下垂(男性・41歳)
■ 来院の動機
目が開きづらくなり、日常生活ではアイプチをしています。そうしないと目が開かないのです。
頭痛も肩こりもあり、受診しました。
■ 医師の診断と手術について
私が経験した中でも重症の眼瞼下垂症です。
睫毛と眉毛の距離はそれ程離れていないため、皮膚を切除しすぎないように手術を行いました。
この患者さまは眼窩脂肪が多いため、大量に切除して上眼瞼をすっきりとさせました。
■ 手術前と手術後の写真
(手術後3ヵ月の状態)
施術名:眼瞼下垂手術(皮膚弛緩症をともなう眼瞼下垂症による)
施術時間:約2時間
施術金額:385,000円
施術のリスク・副作用:腫脹、疼痛、皮下出血、腫脹による一時的な視野の狭まり
■ 術後の感想
アイプチを使わなくても目が開くようになりました。頭痛も肩こりもなくなりました。
一番驚いたのは、記憶力が良くなったことです。自分でも驚いていますが、頭がクリアになった気がします。
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Case4 一重まぶたが原因の眼瞼下垂(女性・13歳)
■ 来院の動機
被さったまぶたによる逆さ睫毛で、角膜潰瘍になったことがありました。
そのため逆さ睫毛手術を希望していましたが、頭が重い・眼の奥が痛い・肩こりがあるといった眼瞼下垂症と同じ症状もあり、眼瞼下垂手術を受けました。
■ 医師の診断
私は、一重まぶたは潜在的な眼瞼下垂の要素を持っていると考えています。
眼瞼下垂症の方と同じように、まぶたの開けづらさ、頭痛、肩こりの症状を持つ人が多いからです。
手術は信州大学方式による眼窩隔膜切開からアプローチし、目を開きづらくする発達した下横走靭帯を切離しました。
さらに眼窩脂肪が多いため少し除去して、挙筋腱膜の先端をミュラー筋より少量剥がして前転しました。
■ 手術前と手術後の写真
(手術後2年の状態)
施術名:眼瞼下垂手術(潜在的眼瞼下垂症による)
施術時間:約90分
施術金額:385,000円
施術のリスク・副作用:腫脹、疼痛、皮下出血、腫脹による一時的な視野の狭まり
■ 術後の感想
まぶたがとても楽になって、快適な高校生活を過ごすことができました! 家族などまわりからの評判もいいです。
眼瞼下垂手術は保険が適応される?
眼瞼下垂の手術は、保険診療と自由診療のどちらでも受けることができます。
公的保険の適応となるには条件があり、下垂の重症度が強度でなければなりません。
治療は保険の範囲でしか行えず、機能の改善のみが目的であるため、まぶたのたるみや、余分な脂肪の切除などは基本的に行いません。
そのため、仕上がりが二の次になってしまいますが、一方で、少額で手術が受けられると言ったメリットがあります。
自由診療では、機能の改善と同時に仕上がりの美しさも追求できます。
全額自費負担とはなりますが、自分のなりたい二重の形に形成することが可能で、たるんだ皮膚や脂肪組織などの切除、仕上がりが良くなる他の術式の選択など、柔軟な施術を行うことができます。また、下垂の重症度がどの時点でも、気になった場合にはすぐに手術を受けることができます。
- Doctor comment
- ドクターコメント
今回は当クリニックで私が手がけた手術をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
術後は目だけでなく、身体の不調も治ったとおっしゃる患者さまが多く、この手術で解消される色々なことに驚かされます。
眼瞼下垂になる方は、加齢だけでなくハードコンタクトレンズを長年使用しつづけている方や、まぶたが腫れぼったい・余分な脂肪が多いといった方など、さまざまなケースがあります。私たち医師は、そういったケースに柔軟に対応し、ひとり一人の最善の結果を目指しています。
この治療は、仕上がりを含めてしっかりと検討することが大切ですので、ご自身が眼瞼下垂ではないかと感じている方は、経験を積んだ医師にご相談ください。
この記事の監修
SSクリニック 柴田真一 院長
プロフィール
- 経歴
- 平成6年 岡山大学医学部卒業
社会保険中京病院(臼田俊和 部長)
虎の門病院(大原國章 部長)に勤務 - 平成12年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科 助手
- 平成16年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科 講師
- 平成20年 皮ふ科SSクリニック(現在 SSクリニック)開院
- 所属学会・資格
- 日本皮膚科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本皮膚外科学会
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
- 日本皮膚外科学会評議員
- 日本アンチエイジング外科美容再生研究会 認定医