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- たるみ治療のファーストチョイスにぴったりな、HIFUによるリフトアップ
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HIFU
2019.12.02
加齢によって現れる顔のたるみ。自宅でのスキンケアやエステで解消できなくなった顔のたるみは、美容クリニックで治療が可能です。
なかでも超音波を使った「切らないフェイスリフト」と称されるHIFU治療は、初めてたるみ治療を受けられる方に最適です。
このコラムでは、なぜHIFU治療がたるみ治療のファーストチョイスに向いているのかを解説します。
たるみの原因
顔のたるみの最も大きな原因は、加齢で口や目の周りにある支持靭帯が緩んでしまい、重力によって下垂することです。
私たちの顔の組織は、外側から皮膚→皮下組織(脂肪や神経、血管など)→筋膜→筋肉→骨、という順番で構成されています。支持靭帯は、皮膚や表情筋から骨や筋膜まで貫く靭帯で、樹木のような形をしています。
靭帯には緩みやすいところと、緩みにくいところがありますが、年を取ると緩みやすいところから脂肪や筋肉が重力によって下垂し、たるみが現れます。
もう一つの原因は骨の萎縮です。実は骨の組織は、常に古い骨が壊されて(骨吸収)は新しい骨がつくられる(骨形成)というサイクルをくり返しています。年を取ると、骨吸収が骨形成を上回り、徐々に痩せていきます。支持靭帯は骨に付着しているため、骨が痩せてくると靭帯も下がったり、伸びたりして一緒に変形してしまいます。
さらに、年とともに脂肪組織も萎縮します。顔の脂肪は個別のコンパートメントに分かれており、境界上には支持靭帯が存在しています。顔面骨格の形状変化や支持靭帯の緩みによって、脂肪コンパートメントも下垂したり、逸脱してシワやたるみ、凹凸を引き起こします。
以上に加えて、表情筋や皮膚も同時にたるむんでしまうことが原因です。
代表的なたるみ治療
美容医療では、HIFU治療以外のたるみ治療としていくつかの手法があります。ここでは、HIFU治療以外の治療をご紹介します。
ヒアルロン酸注入による治療
ヒアルロン酸注入はシワ取り治療として有名ですが、たるみ治療にも使用されます。
粒子が大きいヒアルロン酸を、ゆるんだ支持靭帯を持ち上げるように注入して、補強してリフトアップさせます。加齢が進行した方だけでなく、若い方のたるみ予防にも良い治療です。
糸による治療
皮下内に、コグ(トゲトゲした突起)がたくさんついた医療用の糸を挿入し、引き上げることでたるみを解消する治療です。
治療には細い糸を使用するため、どちらかというと皮下脂肪が多い方には向いていません。皮下脂肪が多い方は、熱で脂肪凝縮を行うHIFU治療が向いていますが、部位によっては糸治療が適応の場合があり、使い分けると良いでしょう。
手術による治療(フェイスリフト)
たるみ治療の中でも、最も高い効果が期待できるのが、手術によるたるみ取りです。
耳前から皮膚を切開して剥がし、支持靭帯のゆるみを締め直し、余った皮膚を切除したのちに縫合します。デメリットとしては、侵襲が強く、術後の負担も大きく、日常生活に戻るのに二週間程度かかります。手術は全身麻酔で、麻痺を起こすリスクもあります。
さらに治療費も約200〜500万円と高額ですが、たるみ治療の中で最も長期間の効果持続が期待できます。
HIFU治療のリフトアップ効果とは
HIFU治療は、マシンによるたるみ改善を目指す治療法です。
高密度焦点式超音波(High Intensity Focused Ultrasound)という、狙った部位にだけ熱エネルギーを当てることのできるマシンです。
治療ターゲットは「皮下脂肪」と、肌の奥底にある「表在性筋膜(SMAS)」の両方で、カートリッジを変えることで、それぞれの深さに正確に照射ができます。皮下脂肪に熱を当てると、熱凝固で瞬時にぎゅっと引き締まります。さらに、表在性筋膜も熱凝固で引き締めることによって、支持靭帯のゆるみを軽減します。
さらに温熱効果によって、誘導されたヒートショックプロテインと呼ばれるタンパク質が出て、組織を活性化されることも期待できます。
なぜHIFU治療がファーストチョイスに適しているのか
ここでは、なぜHIFU治療がファーストチョイスにおすすめなのかを解説します。
手軽に受けられる
HIFU治療の良いところは、治療がとても手軽であるというところです。
簡単に述べると、顔に超音波をあてていくだけです。麻酔などの準備も、アレルギーテストも、採血も必要ありません。
治療時間も約40分と短く、例えばお仕事帰りにサッと治療を受けていくということも可能です。
負担が軽い
初めてのたるみ治療を受けられる際は、痛みやダウンタイムなどの不安があるでしょう。
HIFU機器が登場した当初は、超音波を当てる際に強い痛みを伴いました。現在では、マシンが進化しており、照射時の痛みはほとんどありません。術後は少し顔が赤くなりますが、すぐにお化粧で隠せます。
治療後すぐに人と会っても気づかれないほど、圧倒的にダウンタイムは少なめです。
たるみに対して効果が認められる
HIFU治療のリフトアップ効果は比較的高く、術後すぐに実感していただけます。これは皮下脂肪が熱凝固によって引き締まった結果です。さらに約1ヵ月後には、表在性筋膜の効果が現れ、2段階で引き締まります。
また、熱による創傷治癒効果によってコラーゲンやヒアルロン酸などが生成されやすくなり、弾力によるリフトアップ効果も期待できます。
年齢を選ばない
体に負担をかける治療でないため、若い方から70、80代の方まで幅広く受けていただくことができます。
最近では、20代の方もたるみ予防治療としてHIFU治療を選択する方が増えています。
総合的にみてHIFU治療は、たるみ治療が初めてという方におすすめできる施術です。
ただ、顔の脂肪が少なく頬がこけている方は、くぼみが余計に目立ってしまいHIFU治療にあまり向いていません。たるみが重度の方も、HIFUより手術の方が適応になる場合があります。
- Doctor comment
- ドクターコメント
HIFU治療は照射のみで行え、痛みやダウンタイムも少なく、効果が期待できるため、私の中ではたるみ治療のファーストチョイスです。当クリニックでは、新型のHIFU機器「ウルトラセルQ+」を導入しています。
しかし、どこのクリニックで受け手も結果は同じではありません。こけた頬に照射すると余計にくぼんで老け顔になってしまうといったケースもあります。漫然と照射するのではなく、解剖学を熟知した医師が、その方の骨格やたるみ具合を見て、的確に照射してはじめて良い結果が出ます。
同様にHIFUを行っているエステサロンも見受けられますが、パワーの弱さや施術者のクオリティからして、美容医療のHIFUと同じ結果は得られないでしょう。
たるみ治療でHIFU治療を検討されている方は、信頼できる美容クリニックで施術を受けられることをおすすめします。
この記事の監修
SSクリニック 柴田真一 院長
プロフィール
- 経歴
- 平成6年 岡山大学医学部卒業
社会保険中京病院(臼田俊和 部長)
虎の門病院(大原國章 部長)に勤務 - 平成12年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科 助手
- 平成16年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科 講師
- 平成20年 皮ふ科SSクリニック(現在 SSクリニック)開院
- 所属学会・資格
- 日本皮膚科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本皮膚外科学会
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
- 日本皮膚外科学会評議員
- 日本アンチエイジング外科美容再生研究会 認定医